巷でバズワードとなっている「D2C」。ファッション業界では今のところ、「サステナビリティ」と並んで、Web上で目にしない日は無いのでは?ってくらいに拡散されています。
先日も、
なぜやる?どうやる?進撃のD2Cスタートアップ(2019年版) by FABRIC TOKYO
D2Cを解説した資料が拡散されていました。D2Cブランドを運営するfabric tokyoの社長さんが作成した資料ですね。こちらには、
このように定義されているのですが、
一方では、既存ブランドが店舗を減らしてオンラインに比重を置く事を「D2C化」と言っていたり。(オンラインから始めるブランドの事じゃないんかい…。)
あまり定義は関係ないと思っておりまして、デジタルドリブンで顧客接点をコントロールするのが大切と言えるとおもえます。 https://t.co/6KrJXM5GVk
— 森 雄一郎@経営幹部募集中 (@yuichiroM) August 29, 2019
社長さんは「定義は関係ない」とちゃぶ台ひっくり返すし…。(「D2Cとは」ってめっちゃ定義してるのに…。)
「何がD2Cなのか全然わからん!」
という事で、本日は何がD2Cなのかを結論付けてみたいと思います。
○言葉の意味だけで捉えるなら?
そもそもD2Cって、「自ら企画、製造した商品を消費者に直接送付する」という意味でしょう。言葉の上では、もう随分前からあるビジネスモデルなので、今更持て囃すのもちょっとおかしな事かと思います。
あと、DNVB(Digitally Native Vertical Brand)が本当の呼び方であって、D2Cという言葉は適切では無いという議論もあります。意味としては「デジタルから生まれて、中間流通を排除」という事でしょうか。しかし、国内のD2Cブランドは大体が韓国や中国から「仕入れ」を行っていて、それって「中間流通やん…。」と思う訳です。
市場を見ても、物に対するこだわり持って運営されているブランドが圧倒的に少ないと感じますし、中間流通を排除するからプロダクトファーストが可能という言い分はは真っ赤な嘘でしょう。
○「オンライン」は必須らしい
一つ確実なのは、「オンライン」という要素は必須という事でしょうか。だからこそデータ活用がしやすく、既存アパレルが手を付けれていないので、そこにチャンスがあるという事です。この言い分はわからなくも無いです。老舗アパレルのおじさん達が、最近知った横文字を何となく重要だと感じて、意味もわからず社員に「これからは◯◯だ!」と言ってたりしますが、地獄絵図です。
あと、こういった話になると決まって「データドリブン」って言葉出てくるんですが、
得られたデータを総合的に分析し、未来予測・意思決定・企画立案などに役立てること。特に、ビッグデータを対象とし、各種データを可視化して課題解決に結びつけることを指す。データ駆動型。
という事だそうです。皆さん、横文字好きですね。
○結局は?
D2Cと言われてるブランドと、そうじゃないブランドを比べたときの差は、そう言ったか/言わないか、ですかね。
毎年無数にブランドが立ち上がり続け、その中の一部が雑誌/メディアや屋形のトレンドの変化を捉えたり、システムや生産にしっかり投資するなどで、急速に伸びてきたのは過去も同じ。 https://t.co/sLo8OhqyFj
— 遠藤 崇史 / Takafumi Endo (@Gyu07) August 31, 2019
で、結局何なの?って事なんですが、上記の言い分が一番しっくりきました。本当、言ったもん勝ちに感じるんですよねー。という訳で、まとめますと、
・オンラインから生まれたブランドで、
・データ重視で、
・自分で言ったか言わないか!
これがD2Cブランドの条件でしょうか。うん、めっちゃ曖昧ですね。これだけ言っておいて何なんですが、ブランドを始める際のチャネル戦略で、どういう方針なのかってだけですね。言葉に惑わされず、健全なブランド運営を心がけましょう。