ワンオーがD2Cブランド「イコーランド」立ち上げ ラグジュアリーブランドの残糸を使用
PR事業などを手掛けるワンオー(松井智則社長)は、D2Cモデルのファッションブランド「イコーランド(EQUALAND)」を立ち上げ、8月9日から自社ECサイトで販売する。テーマとして掲げるのは“ファッションの信用”。ラグジュアリーブランドやスポーツブランドの残糸・残反(工場などに使われずに残っていた糸や生地)を使い、上質な商品を買いやすい価格で提供する。
アッシュ・ペー・フランスのPR事業から独立したワンオーから新ブランドが発表。また雨後の筍のようにD2Cというワードが出てきております。個人的に気になったのはその部分よりも「ラグジュアリーブランドの残糸を使用」という部分ですかね。何故ならこのワード、自分がラグジュアリーの世界にいた時に頻繁に使っていたワードだからです。
「ラグジュアリーの◯◯」は掃いて捨てるほどある?
僕がアパレル商社で営業をしていた頃、会社の看板ブランド以外にも複数無名のインポートブランドを取り扱っていました。そういったブランドは価格帯だけはラグジュアリーブランドと遜色無く、
「この価格で誰も知らないブランドをどうやって売るんだ?」
と、日々悪戦苦闘していました。そして、こういったブランドを売るための謳い文句として出てくるのが冒頭でも使われているようなワードですね。
・元◯◯のデザイナーが手がける
・◯◯でも使われている生地を使用
・◯◯と同じ工場で生産
大体こんな感じです。この謳い文句で売れるのか?というお話なんですが、大概売れません。売れたとしてもこのワードが原因では無いですね。製品として魅力が無ければこんなワードは何の役にもたちません。だってユーザーからしたらこの◯◯が一番重要なのであって、誰だかわからないデザイナーや触った事の無い生地、見た事の無い工場に興味は無いのですから。
もちろん、こういった事が多少の信用力の担保にはなるのでしょうけど、ブランドとしてロイヤリティを高めていくのって時間もコストもかかる事です。「デザイン性」「歴史」「流通量」「取り扱い店舗」などなど。そういった複数の要素が積み重なる事で信用力が生まれる。上記のブランドがどのような製品を出すのかはまだ不明ですが、使い古されたワードと、今の時代にみんなが使っているワード(D2C)が組み合わされただけだとちょっと厳しいと感じてしまいますね。