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消費は二極化しているとよくいわれます。
洋服でいうと、超高額なスーパーブランドか、低価格なユニクロなどのグローバルSPAかしか売れなくなっているといわれます。果たしてそうでしょうか?
例えばジーンズという商品があります。
ユニクロは定価3990円です。たまに2900円とか1990円に下がります。スーパーブランドのジーンズは5万円以上です。ちょっとこだわりのあるジーンズや欧米のインポートジーンズはだいたい2万円前後です。
洋服業界の人でもこんな感想を述べたことがあります。
「ユニクロのジーンズは悪くないし何本か持っているけど、たまには違うブランドを買いたい。でもその上が2万円だとちょっと価格が開きすぎていて買う気にならない。例えば、ユニクロに3000円か4000円足して買えるくらいのブランドがあれば良いのに」と。
この気持ちはよく分かります。ぼくもそう思います。
いくらジーンズが好きでも2万円のジーンズは年に何本も買えない。
ユニクロのジーンズは悪くはないが、ユニクロのジーンズばかり持っているのもつまらない。じゃあ、6000~9000円くらいで買えるジーンズブランドがあれば良いと思います。
実際にそういうジーンズブランドはあります。リーバイスやエドウインはちょうどその価格帯です。消費者に存在を思い出されないのは、リーバイスやエドウインの販促が下手くそだからです。これはまた別の機会に論じます。
もし、リーバイスやエドウインがもっと販促が上手くて消費者に広く認知されていたら、ユニクロ以上、インポートジーンズ未満というお客をもっと獲得することができるでしょう。
先日、関西のセレクトショップの雄「パーマネントエイジ」に久しぶりに取材に伺いました。
大手の寡占化が進む業界にありながら、30坪という小型店で大きな売上高をたたき出しているショップです。パーマネントエイジの林行雄社長がこんなことをおっしゃいました。
「中間価格帯の服が売れない?そんなことないと思うけどなあ。需要は確実にある。みんながユニクロで満足しているわけではないが、何十万円も出してスーパーブランドを買うことはできない。売れないのはそこにぶつける弾に問題があるのではないか」。
なぜ社長はそんな強気な発言ができるのかというと、自店で扱っている商品が中間価格帯だからです。ぶつける弾に問題があるというのは、扱う商品そのもの(色・柄・デザインの問題)か、商品のセレクトの問題か、商品の売り方・見せ方・伝え方の問題か、ということです。
そのどれか、もしくはすべてが誤っているから、売れないのではないでしょうか?
スーパーブランドのような超高額な商品を購入できるほどの収入がある人が日本にどれくらい存在するでしょうか?その人たちの人口はかなり少ないです。いくら良い商品でも高すぎればそれを買える人、買おうと思う人の数はかなり制限されます。当たり前です。たかが洋服や雑貨に何十万円も使う人はそれほど多くありません。
ユニクロの商品はたしかに品質の良さ、デザインの良さに比べて価格が安いです。だからと言って全員が満足しているわけではありませんし、収入が少なすぎてユニクロしか買えないという人もそこまで多くはありません。もう少しプラスしても違う物が欲しいと思っている人は少なからず存在します。
問題はそういう人たちの満足できる商品を提供しないアパレルメーカー、売り方の下手くそな洋服店にあるのではないでしょうか?
現にその価格帯の洋服を販売していて支持されているショップがあるのです。
反対にユニクロに勝てないから超高額品に逃げたとして、今度はスーパーブランドと競合することになります。スーパーブランドは広報宣伝・販促に莫大な費用をつぎ込んでいます。スーパーモデルとの契約にも莫大な費用を使っています。それだからこそ多くの人に認知されているのですが、あなたのそのマイナーで、ろくすっぽ販促活動もしていないブランドがスーパーブランドと競合して勝てる見込みがあるのでしょうか?超高額品で戦うということはスーパーブランドと戦うということです。果たして勝ち目があると思いますか?
自分たちの収入、顧客層、それをもう一度じっくり見直してみてはどうでしょうか?安易な逃げ道はどこにもありませんので。
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