お久しぶりです。南です。
前回、繊維長と長繊維について書きました。覚えていますか?
南のことは忘れていても、繊維長と長繊維については覚えていてくださいね。
長繊維があるということは短繊維もあるということです。
短繊維とは何かというと、繊維長が短い繊維のことです。主にシルクを除く、綿やウールなどの天然繊維がこれにあたります。
綿やウールは繊維長の長さがどんなに長くても何センチ単位です。で、この短い繊維を集めて紡績して糸にするわけです。
ですから、合成繊維とはまったく糸の作り方が違うということです。
で、短繊維のことをカタカナで「スパン」と呼びます。紡績や合繊メーカー、テキスタイル関係の人と話すと、ときどき「スパン」という言葉が出てきますが、これは短繊維を意味しています。
通常、大は小を兼ねると言います。
フィラメントである長繊維にも短繊維があります。長い物は切れば短くなりますから、長繊維の合繊を何センチか単位で切ればスパンになります。
ポリエステルもナイロンも切ればスパンになります。
ポリエステルスパンと綿を混ぜ混ぜして紡績すれば、綿ポリエステルの混紡糸になります。
そして、短繊維にはもう一つカタカナの呼び方があります。それはステープルです。ステープルファイバーとも呼ばれます。
しかし、通常の短繊維を日本ではステープルとは呼びません。ステープル、もしくはステープルファイバーと言う場合は、レーヨンの短繊維を指します。
ステープルファイバーは業界では通常、スフと略されます。昔の新聞や先物相場では「スフ」という言葉が出てきますが、これはレーヨン短繊維を指しています。
今でも信用情報などでは取扱品目の中に「スフ織物」というのがあり、これはレーヨン短繊維の織物ということになります。
スパン、ステープル、スフ、ともに紡績・合繊メーカー・商社・生地関連の会社では日常的に使われますから、覚えておいて損はないでしょう。