意識してる?アパレル業界の転職しやすいタイミングの見極め方

みなさんこんにちは。キャリア論&転職担当の吉田です。今回は転職しやすいタイミングの見極め方についてお伝えしたいと思います。

有効求人倍率とは?

さてみなさんは「有効求人倍率」という言葉を聞いたことがありますか?厚生労働省が毎月発表をしているデータでハローワークに登録している求職者数(転職希望者数)に対し、募集している求人数の割合を表した数値で、求職者一人に対してどのぐらいの求人数が出ているのかを測るものです。例えば求職者が100人いて求人数が200ある場合、有効求人倍率は2、求職者100人に対して求人数が50の場合は0.5という表現の仕方になります。この数値は経済指標の一つとして捉えられているものです。
そして倍率が高ければ高いほど求人の方が多い状態なので転職はしやすくなり、逆に1を切ると転職難易度が高まることを意味します。

ちなみに最新の倍率は1.07と発表されていますが、リーマンショックの時にはこの倍率が0.5を切りました。つまりこれは募集している求人が全て採用となったとしても転職したいと思っている人たちの半分しか就職できないという状況です。

前述の通りこれらは経済指標の一つになっており、逆に言えば転職環境はその時の景気が大きく影響すると言えます。

転職は自分のタイミング×景況感の掛け合わせで最適なタイミングを

ただ、こんなことを言ってしまうと元も子もないのですが、この有効求人倍率はあくまでも参考程度に捉えた方が良いです。なぜならこの数値はハローワークの登録データからの算出となってますが、今や転職手段や求人手段はハローワーク以外の求人サイトや人材紹介会社など多岐にわたっているため、世の中のリアルな数値とは乖離していることも十分考えられるからです。

ただし、景気と求人の連動性は確かにあります。

景気が良い時は人がいればいただけ売上があがるのでどんどん積極的に採用したい!(多少経験が浅くてもポテンシャルで採用もあり)となりますが、景気が冷え込むと人を採ることに対してかなり慎重になり、ポテンシャル採用はほぼなくなり、本当に力のある即戦力経験者のみに絞った採用活動となっていきます。

私自身、リーマンショックの時にはすでに人材ビジネスに携わっていましたが、景気の良かった時に採用された方とほぼ同じキャリアをお持ちの方でもリーマンショックの時には書類選考すら通過しないという現実を目の当たりにしました。

転職は自分のタイミングのみで考えてしまいがちですが、景気の動向を踏まえてキャリアを積み上げることはとても重要です。
これから景気が上向いていく気配がある時はタイミングをじっくり見測るのも一つですが、逆に今後景気の後退が予想されるタイミングにおいては、「今」が一番の動き時であるとも言えます。

もちろん個別に事情は異なりますし、キャリアとは不確実性の高いものですから必ずしもこうするべき!と断言はできません。ただ、現在のコロナウィルスの影響やオリンピック後の景気の冷え込み予想などから経済的にはしばらく厳しい状況が続くことが予想されますので、もし今転職を考えている方であれば「今すぐ動く」か「数年単位で長期的に検討する」のいずれかをご自身の年齢やキャリアを踏まえつつベストなタイミングを探るべき状況かと。

ぜひこれからのキャリアを考える際には景気の動向にもアンテナを張りながら検討してみてください。

それでは今日はこの辺で!

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吉田直哉
About 吉田直哉 31 Articles
株式会社ALL IS NEW 代表取締役社長 大学卒業後バーニーズジャパンに入社。販売員としてキャリアをスタート。20代でリクルートへ転職しキャリア支援のキャリアをスタート。その後ファッション業界専門のヘッドハンターとして業界におけるキャリアコンサルティングに従事しつつ、Vice President、執行役員としてマネジメントを経験。 。累計転職相談者は1万人を超える。現在は株式会社ALL IS NEWの代表取締役としてファッション業界のキャリア支援、採用支援をしつつ、「人が繋がるを」コンセプトにしたスナック「BANQUET CIRCUS」の経営や、 文化服装学院の非常勤講師としても活動中。 ファッション業界関係者限定の招待制交流イベント「FASHION SNACK」もプロデュース。また出身地である福島県いわき市にて地方創生事業も展開。