ファッション企業が学生に伝えたいこと!
販売職や店長の志望者が減っている。
土日勤務、顧客より年齢が上がると店頭に立ちにくい、長く働けない業種、出張はいいけど駐在は嫌、販売現場より初めから本社がいい。
でも、接客はクリエイティブだし、自らの工夫で売り上げを作れ、流行を生み出せる… pic.twitter.com/P3K3cbgkXd— PREPPY (@Mark20130309) February 5, 2017
繊研新聞の内容をツイートされている方がいらっしゃいまして、ちょっと気になる内容でしたので記事から一部抜粋。
ファッション企業の採用担当者の座談会では「販売職や店長の志望者が減っている」現状や、だからこそ「顧客などと強い関係性を築いて成長でき、達成感が得られる業界の魅力を伝えたい。」など、就職活動を始める学生への思いが語られた。
中略
「接客は自分で仕事を見つけていくクリエイティブな仕事。期待を少しだけ上回る接客の継続で、顧客との強い関係性が築け、店長になると人を育て、自分も成長できる。」「人に喜んでもらえ、自らの工夫で売上を作れ、達成感と日々変化がある。」など、やりがいのある接客の仕事の魅力を強調する意見が目立った。
とまあ、やりがいを大いに語られたようです。色々とつっこみたいところはあるのですが、一番思ったのは、
学生さんって販売員にやりがいが無いから志望しないの?
って事です。記事中には、
「土日勤務など働く環境に不安を抱いたり、販売職は主要顧客より年齢が上がると店頭に立ちにくく、長く働けない業種と見る人が多い」
とも書いてあるんですけど。これって働く環境やキャリアプランであって、「やりがいが無い」なんて一言も書いてません。もちろんそう思ってる人も多少なりともいるかもしれませんが、僕が教育の現場で立って感じる事は、そもそも職業のやりがいについて深く考えている学生の方が少数派です。ぶっちゃけた話、一番見ているのは給与・休日です。つまり労働環境と条件です。
給与に関しては売上や利益によるものなので簡単に上げたらいいなんて思っていません。しかし、労働環境に関してはもっと努力できるはず。これをやらないで「販売職の魅力を伝える」なんてできる訳ないでしょ。誰が好き好んで労働環境が悪いところに身を投じるんですか。いい加減、建前ばっかり言うのはやめてほしいんですが。
企業は販売員しか欲しくない?
別件ですが、以前某大手セレクトの人事担当者とお話する機会がありまして、
「社内公募制をえさに新卒採用してるけど、販売員が慢性的に人手不足なんだから現場で働き続けたいと思う人が必要では?」
と言ったところ、
「えさにしてるつもりはない」「概ね希望に沿って本部に昇格している」と回答がありました。
各職種の従事者数を数えたら圧倒的に販売員が多数です。そして専門学校から(社内公募制を謳っているアパレル企業に)販売員として就職して、本部に上がりたいと思っている数って結構な割合なんです。(僕の体感では半数以上です。)それが概ね希望に沿える訳ないでしょ。ここでも企業の建前が出てきています。
いい加減、企業は「販売員しか欲しくありません。」と言ったらいいんじゃないですかね。大手ほど本部に昇格する人材は上が詰まっているのわかっているでしょう。
一部のアパレル企業が労働環境の改善に取り組んでいるのはわかります。給与も10年前と比較すると格段に上がっているのも知っています。しかしそんな建前ばかり言って期待させて入社させても、思ってたものと違った場合はすぐ離職しますよ。
そしてそれだけ企業が販売員を欲しがっているなら、それを正直に言えばいい。言い方ひとつで販売を前向きに捉えてくれますよ。「今」恵まれた職じゃなくても、これから恵まれる可能性があればいいですし、今後販売員がそうなってくれる事を切に願っています。