3日です!
セールス&マネジメント KOSUです。!
さて2月です!
2月はアパレルが売れません!
個人レベルのお話ではなく大きな流れとしてこの時期は冬物買うには遅い、春物には早い、セールは終わった、新規商品も少ないと需要もお店の環境も整わない時期です。
さてそんな時期に僕が注力するのは、ボトムス商品です。
セレクトショップではいわゆる、ブランドの定番商品。
デニム、チノパン、別注パンツ達がシーズンの立ち上げとして投入されるからですね。
SKUが揃い、売場も整い、単価良し!
というわけで、フロア2面、3面出しとバンバン打ち出します。
ボトムス商品は季節感に左右されにくく、セールで値引きされていなくても売れる商品の1つです。
今日はそんなボトムスの売り方ではなく、
ボトムスのお直しサービスについてのお話です。
なぜこの話をするのかというと、お直し知識というのは1つの提案スキルでもあり、サービスの一環でもあるからです。
ここの知識が弱いと、ボトムスを100%の自信で提案できません。
また、ボトムスは無理に売るとリピート率がグッとさがるからです。
逆に気に入ってもらえると、ボトムスはシルエットの変わらない商品も多いので、リピートでシーズン毎に生地違い、色違いを購入いただけたりする根強いファンアイテムなのです。
皆さんもボトムスは特定のブランドやアイテムをリピートしているはずです。
職人並みの知識とミシンワークを鍛えるわけではありませんのでご安心を、
それではお店で受ける基本的なお直し、丈詰めについて大体知っていると思ますが、、、
代表的な裾直し種類
三つ折り、タタキ
デニム、チノパン、綿パン様々なボトムスで最も多い仕上げ。
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↑パンツの裾見るとこうなってるやつです。
お店やお直し屋によって呼び名は様々ですが、裾を3つに折ってミシンで縫う(叩く)ということで、そう呼ばれるそうです。
主に、試着時に裾が長いので短くするときにこの仕上げにしますよね。
もちろんカジュアルパンツの仕様です。
ということは、最低3つ折り分生地の余りがないと裾は短く直せません!
そうなんです。短くできる場合とそうでない場合の判断基準を持たないと、買ってもらったはいいがお直しできないとクレームに繋がります。
(厳密にはやり方は色々ありできなくはないですが便宜上そうします)
チェーンステッチ
ワークブランドの多い僕のショップではこれが良く出ます。
多いのはやはりデニムでチェーンステッチ。デニムの場合、タタキで仕上げた色落ちと比べれば一目瞭然に違いが判ります。
こだわりが強い、玄人好みな方はチェーンステッチを希望されますね。
基本的にお直し屋に依頼することになるかと思うのですが、注意して欲しいのが、このチェーンステッチは専用の特殊なミシンでしかできないということです。
そのため、館のお直し屋がすぐに対応できないこともあるので1週間などお日にちをもらう必要があり、通常よりも料金がかかってしまいます。
また、クレームになるケースとしてスタッフが確認せずに、チェーンステッチが元々してあったのに、間違えてタタキの仕上げにしてしまい、お客様が履いてから気付いて、クレームになるということは結構あります。
シングル
ドレスアイテム、スラックスでのお直しが一般的ですね。糸が表にあまり出ないのでスッキリした印象。そのため、フォーマルなどはこの仕上げですね。
ダブル
外に折り返しがある仕様ですね。
メンズのスーツ、スラックスが多いですが、カジュアルパンツで仕上げて既製品として販売もちょくちょくありますね。
このダブルは別にスーツだけのものではなく、チノパンでも綿パンでも基本はできます。
しかし、例外もありこのシーズンだとコーデュロイなど厚手の素材は織りあげて作る仕様のため、ふくらみが出すぎてしまったりしてキレイに仕上がらない事も多々あります。
さてさて、これが一般的に受けるお直しの種類です。
大体みなさんご存じでしょう。
お直し一つの提案にどこまで懸ける?
僕が言いたいのはこれらの構造であったり、
仕様ではなくこれらをスムーズに提案できるか?ということです。
タタキなどは簡単ですね。説明も商品見れば仕上がりイメージ湧きますよね。
では、
ダブルであったりはイメージがお店で湧くでしょうか?
チェーンステッチを使った後の商品見たことありますか?
そういくらスラックを折って見せても、言葉で説明しても着用イメージにはならない、伝わらない!
というわけで、スーツ担当の僕のスラックスはほぼダブルで仕上げて着用しております。
そして、一般的な折幅4cmはこれです。と見せられるようにしている。
理由は趣味で服を着るのと、売るために店頭に立つ服は違うから。
マス層の多いショップなので着用する物はお客様が普段していないような仕上げにしたいという方は多いです。そのいざという時伝えられるようにしています。
また、常に裾直し用のクリップ、メジャーを持ち歩く。
小さな電卓も!お直し料金は加算されていくのですぐに伝えられるように持つ。
取りに行く、待たせる行動はお客様にとってマイナスです。
お直しの料金・時間は頭に入っているか?
お直しに時間はどれくらいかかるか?こんなことも提案です。
無駄にお客様をお待たせしないためです。タタキなら1時間。シングルなら1.5時間、ダブル糸止めなら2時間、スナップ止めなら1日、チェーンステッチなら1週間。
お客様からオーダー受けてから「あれ?どれくらいだっけ?」となっては信頼が薄くなります。
そして、シビアな料金についても把握しておく。
お直し料金は基本的には追加で頂くことが多いです。一番敏感な金額提案はブレてはいけない。
タタキなら600円
シングル700円
ダブル800円スナップなら1000円
ほどき有り+100円
ワイド幅+500円
ウエスト詰め1500円
ウエスト出し1500円
Vスリット加工+500円
ワタリ、膝、裾幅詰、、、、、、、
と一部ですが、僕のお店なら大体こんな感じ。
「ちょっと待ってください確認しますねー」と料金表でいちいち確認していては、お客様は冷めてしまいます。
確認中お客様は放置ですからね。
僕も経験ありますがフィッティングで1人待たされてもやる事がなく困ります。
このようにお直しの箇所は様々あります。僕はスーツを扱うので多めに知っていますがカジュアル衣料だけのお店もこれくらいは知っておいた方が良いです。
良く出ないお直しの知識はいざという時の取りこぼしを防ぐものです。
ウエストが合わないがシルエットは気にいているという時、お客様には帰ってもらうのか?ウエスト出し提案できるスタッフでいるのか?は大きな違いです。
そういうお客様ほど他店でも商品が見当たらず困っているのは販売員なら気づいているはずです。
僕自身ウエストを直せることをこの業界はいるまで知りませんでした。一般の間隔はこんなものだと思います。
また、近年はお店のミシンで直すお店はほぼ存在しなくなったので、僕のようにマス層をターゲットにしているショップスタッフなどはお直しの知識に乏しかったりします。店舗でもあまり教えていない感じですしね。
どうやってお直しの知識を鍛える?
僕のやり方ですが、館のお直し屋にひたすら通いました。これだけです。
特別な方法など必要ありません。
変な言い方ですが、お店のスタッフよりお直し屋の方が専門家なのでそこに聞いた方が確実だからです。僕の場合入社してすぐに先輩スタッフが異動しまくり、入社半年で責任者になったので自分より知識がある人がいなくて困った経験があるからです。
そして、ネットで検索してもよくわからん、、、というのが僕の感想だったからです。
自分の持っているパンツで微妙にサイズ感が合わないものを持って行って、お直し屋にいるスタッフに「どこまでいじれますか?」と聞いてパターンオーダーのように詰めたり出したりして自分の理想のパンツをお直しして遊んでもらっていました。
気づけばお直し料金は1万を超え商品代金を超えたのを今でも覚えています。
販売員はどちらかというとこういった文面より、論より証拠派が多いと思うので、遊びついでの経験と思ってやってみてください。
ちゃんとお直しされた物とそうでない物の違いがより接客に生きます。
お直しのサービスを見直す
沢山のアパレルショップがある現在お直しサービスも各社異なります。
自分のお店はどうなっているか他社と比較したことありますか?
大きいものは料金です。
あるお店では600円あるお店では1000円、はたまた無料まである。
同じブランドでも入っている館によって料金がことなる。(入っているお直し屋に合わせている)
同じブランドでお買い上げいただくなら全国一律で料金を設定しているブランドもあります。
プロパーの時は半額負担、セール商品は全額負担いただくなど状況によって変えているところもあります。
お直しに時間・日数は頂くが、配送は無料などなどあります。
おすすめしないのは、
お店で長さだけ計って、お客様自身にお直し屋に行ってもらうパターン。
お直し屋に行くまで金額、時間もわからず、お直し屋という普段いかない館の隅にある場所まで行かせなくてはならないので、心象がとても悪い。お店で対応できるように変えた方がいい。
HPに記載している企業も多いので自分の館で対応できるお直しの種類か確認するのも大事で、館のお直し屋では対応できない場合、他店に送って直すのか別のお直し屋に出すのか?など対応が変わるからです。
お直しの料金は意外と見直されていない部分なので、時間がある今サービスを知る、会社に伝えるのもいいかもしれません。他社のサービスについては結構疎いもので、自社より良いサービスなら真似しても良いんです。
実際僕は会社に自社の料金が高いから下げられないか提案したことがあります。
ボトムス販売は不安を取り除くだけで、購買率UP
少し販売についても、
ボトムの試着時というより、リアル店舗でしかできない試着というのはお客様にとっては失敗しない方法で確実だから行います。見てるのと着るのは違います。
そのためただ着用してもらえればいいのではなく、完成系まで見せるというのが試着時の接客で必要なことです。
完成時というのはお客様が実際に着て動く時を想定するという事。
着て鏡を見ることではありません。
ボトムスの試着なら、
ベルト必要ですよね!
シューズ必要ですね!革靴?スニーカー?履いてこられた靴?
何に合わすのか、それに応じてアイテム持っていきましょう。
そして、整ったら一言。
「普段その位置でパンツ履きますか?」と聞きます。
お店では綺麗に着たいという気持ちが働くので、ハイウエスト気味、ベルト強めな着用をされる方が非常に多いです。
しかし、人間ボトムスを履くときは必ず自分が楽な位置でしか着用しません。皆さんもそうだと思います。
この一言でお客様もリラックスした位置にしてもらうと腰位置から下がる方はかなりいます。
そして、裾直しなどで合わす際の商品・お客様の着用シーンによりますが、この位置で長さを合わせます。
また、デリケートな話題も突っ込む!
お尻が張っている、モモが張っているなと感じたらさりげなくても絶対に聞きます。
これはわかりやすいですが、股上が浅いなども確認します。
しんどい箇所はお客様からは言い出しづらい箇所です。
トークは販売員から切り出さないと進みません。
そして、確実にするため「今しんどくなくても座ったらどうですか?」
僕が提案をするときは必ず椅子に座ってもらいます。
ボトムス鉄板のセールストークとしてストレッチ性を推すならココでないと体験として伝わりません。
そして、「ご飯食べましたか?」と聞きます。
男性の場合、お腹が出ている場合があるので、座るとキツイは二度とはきません。
無駄な買い物に早変わりします。
時間に見合わないは早計
このようにトップスと違ってボトムスって売るの時間がかかるんです、、、だから、他の販売員があまり提案をしていないんです。
とりあえずめんどくさいからロールアップできますとか適当な提案しがちです。
裾1つしっかりと合わせることで、失敗しない買い物。ここのお店ならしっかり提案してくれる。という買い物の記憶は時間と共にしっかり覚えていただけます。
そして、気に入ったボトムスは人間何回も履く習性があるので、リピート率に確実に繋がります。
ネットでもボトムスは購入できますが、わざわざ自分の計測をする手間よりお店に行って合わせてもらう方が確実です。
今日話したのはボトムスの一部だけですが、こういったお店で対応できることを1個づつ増やすことで、お客様からのリクエストにちゃんと答えられるようになります。
そして、それはちゃんと提案してくれるスタッフとしても見ていただけるので必然的に顧客も増える知識です。
答えられない人には顧客はできない。お店にいる以上、服を扱う以上、それにまつわるサービスにはこたえられる存在でなくてはいけません。
ボトムス一つこだわるだけで、満足度は大きく違います。
お直しなどに苦手意識のある方は閑散期の今、お直し屋に足を運んで勉強してみてください。
今はネットが主流ですが、こういった手間がかかる物ほど、
お店で買うようにもなっているはずです。そこも一つリアル店舗・スタッフの価値だと僕は思います。
それではまた来月!