意外と知らない退店のあれこれ

こんにちは。kaz(@kazusanvmd)です。

花粉がツライ毎日ですが、凄いの見つけました。

アルガードの鼻炎チュアブル。

これひとつ舐めれば即鼻水止まります。

ただし、異常に喉は渇きますが。笑(個人の感想です)

さて、そんな花粉の季節は本来であれば未来ある出店や改装などが増えるタイミング。

しかし、今回は全く真逆の退店についてその実情を書いていこうと思います。

それでは、スタート!

いつ退店は決まるのか

これは店頭にいるとなかなかすぐには伝わってこないかも知れませんが、基本的に倒産やブランド終息でない限りほぼ半年前ぐらいから交渉に入り確定は2〜3ヶ月前ぐらいに確定します。

定借の場合は更新のタイミングがほとんどで、交渉期間自体は変わりませんが時期が決まっている感じですね。

定借の場合は売上に関わらず常に決まった金額を納めているので支払いできる限りは大丈夫なのでは?と、思われがちですが売れないブランドだと集客が少ないので館に集まる人数に差が出てきます。

そうなると人の少ない館として魅力度が下がり、次の出店を誘う際にブランド側から断られることも。

そうならないために決まったお金を貰い続けるにしてもブランドの入れ替えは発生します。

退店の目安になるモノは?

これはズバリ「利益」です。

どんなに売上高自体があって、前年改善していても利益が出ていなければ継続させる分だけお金が減っていくので当然ですね。

また、一言に利益といっても「額」ではなく、「率」の方で見られることが多いようです。

額で決めると館の売り上げ規模に左右されて出店可能な地域が限られてしまうので売り上げの絶対額にかかわらず率で見る。

そしてその率が低いと退店…と、なります。

赤字はもちろんですが黒字の場合でも運営して行くメリットが少ない場合は退店となることも。

その基準は会社やブランドによりますが基本的には10%下回ると危険、5%以下なら退店…。

みたいなのが多いように感じます。

5%以下がその対象というのは売り上げの上下ですぐに赤字に転落する可能性があるからです。

この他にもフロアのリーシングが変わり館側から出て行ってと言われるパターンもあれば、その逆でブランドコンセプトに合わない、もしくはブランディングと出店立地がズレできたので出て行く。

など売り上げ以外の要因も当然存在します。

現状ではこの状況なので利益的な部分での退店判断が多いですね。

退店にかかる費用は?

投資からの年数、退店時の復旧状況によって変わりますが、基本的に以下のような項目で費用がかかってきます。

・資産除却

・現状回復

・諸経費

資産除却は初期投資(改装含む)からの経過年数で変動するのですが、固定資産だと8〜10年での月々の償却、リース資産(自社取得外の資産)は大体5年となっており、その年数で初期取得額を割って月々償却していき、退店時に残りを一気に償却することをさしています。

現状回復は内装を解体して元の状態にして館に区画を返却することをさします。

賃貸住宅を退居する際の回復と同じですね。

現状回復は出店時の契約でその内容が決められていて、百貨店ではバクっと言うと置き式の可動什器がメーカー、その他壁面造作が館の資産と区分けしてメーカー側は什器の廃棄、館側は壁面造作の解体を負担するのが一般的です。

ただし、これも出店時にかかる費用はの負担区分が元になるので100%自社負担の場合は退店時も全て自社負担となります。

ただし、大概の場合は次に出店をするブランドも投資を抑えたいので一部をそのまま使わせて欲しいなど交渉が入り、解体する部分を減らして回復費用を抑えるのが通例となっていますね。

また、SCや、路面などは基本的に「スケルトン」と呼ばれる状態での返却を求めらるので現状回復にかかる費用が百貨店と比べると段違いに高いです。

これは、出店時も同じくで天井、床など全て好きに出来るかわりに費用がかさむ、そしてそれを返却する時にもゼロベースに戻さないといけないので費用がかさむ…と、いった感じです。

諸経費は出店時場所にもよりますが電話回線、インターネット回線などの解約、什器の引き取りによる運搬費やマネキンなどのレンタル品の改修時の経費…などなどその他全般です。

諸経費は運営形態などによりまちまちですが、それでも少なくない費用がかかります。

退店費用を抑えるには?

上でも少し書きましたが簡単に言うと「譲渡する」です。

資産除却はどうしても避けられませんが、その資産を実際に解体するなどの工程を除けばかなりの金額を抑えることができます。

什器などをそのまま使ってもらう、表装を変えて使ってもらう、基礎の部分を使ってもらう、など工夫をすれば次のブランドもコストを下げて出店時できるのでお互いに助かる。

次のブランドが必要なければ館への譲渡もありです。

「催事用の什器にしてくださね♪」とかなんとかいって譲渡できれば最高です。

また、小什器のバッグスタンドなどの金物は販売が可能なので金物屋さんなんかに売りに行くと良いお小遣いになりますが会社の資産の横領になるのでお気をつけてください。

それではまた次回

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Kaz
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ドメスティックブランド、ラグジュアリーブランド(全てメンズ)で販売及びVMDアシスタントとして経験。販売歴10年。販売時代は店鋪VMD、CRM、スタッフ教育など全てをこなすオールラウンダーとして活躍。その後現会社にVMDとして入社。基本ミセスアッパーブランドを軸に、卸展示会、SC系レディースから百貨店の婦人服、雑貨のブランドを経験。販売経験を元に顧客目線、販売員目線でのVMDを得意とする。店作りのモットーは『買い易く、働きやすい 顧客にもスタッフにも優しい店作り』