アパレル販売員こそたくさんの接客を受けたほうがいい理由

アパレル販売員こそたくさんの接客を受けたほうがいい

他店に行く目的はズバリ接客のケーススタディが目的です。接客される経験を積み、様々な接客パターンを知り、自身の接客の引き出しを増やすためです。もちろん市場チェックの意味もあるし、モノ・ウツワ・空間の視点でも見るけど、やっぱりヒトの接客が面白い。

特に面白いのはファーストアプローチ。
お笑い芸人のネタ元になりそうなほど個性的な人もいるし、全然マニュアル通りじゃないけど静かに揺さぶってくる刺客もいて、油断なりません。

平静を装いつつも内心は
「あ、そう来るんだ?」
「え、いきなりそれ?」
「ヤバい、この人上手い、買っちゃいそう…!」
などと、ひとりでドキドキ楽しんでいます。
もちろん、とてもいい提案や接客をされたら買ってしまうので、時にヒヤヒヤ…。

それから、普通のお客さんだったら不快でお店を出ていってしまいそうなそうなことがあっても、あえて残って様子をみたり。普通のお客さんだったら言葉にならないようなもやもやを、あえて聞いて確認したりもします。
なんでこんな接客をするのだろう(とは言わないけれど)、なんでこうなるのだろうと、その答えが垣間見えるまで、お店を観察してます。とはいえ全館回るので、短時間ですけれど。

もちろん、普段のお客さんだったら心にとどめるくらいのお礼も、口に出して伝えるようにしています。ちょっとでも励みになればと思って。

出歩かないと見聞が狭くなるこわさ

このブログを読んでくださっているアパレル販売員さんたちは、お店で勤務されてる方がほとんどだと思いますが、勤務先の接客しか知らなくて、不安になりませんか?私はなります。だから接客してもらいに行きます。

お店のメンバーが5名だとしたら、あなたをのぞく4名分の接客しか日常で目にすることができないんですよね。外に目をやると、こういうのもアリだなぁ、コレうちの店でもやってるけどお客さんにとっては理由がわからないし面倒だなぁ、等々の、小さなことから大きなことまで数々の発見があります。

お客様はいくつものお店を回って来られるのに、迎えるアパレル販売員がたった一つのお店の限られたメンバーの接客しか見てないなんて、それが「普通」になってしまうなんて、私は危機感しか感じません。

いろんなお店でいろんな接客をされてみることで、自分や自分のお店のやり方と違うことにどう感じるか、良いか、悪いか、どっちでもいいか、印象をつくりだす要因(販売員の雰囲気、店内の雰囲気、ブランドイメージ、価格帯、商品特性等)から理由付けをして記憶にストックしていきます。

普通NGとされていることだけど、このお店の雰囲気で、この販売員さんのキャラクターだからこの接客はアリだな、というように。

体験せよ

服だって、靴だって、試着して分かること多いでしょう?販売員とのコミュニケーションだって、試してみないと体験による知識が不足すると思うんですよね。
アパレル販売員の仕事っていつも外に晒されてるから、会社訪問とかしなくても多くの販売員の仕事ぶりが見られるので、本当にラッキーです。

全館とはいわずもショップ巡りしてるアパレル販売員はいると思います。
ただ、けっこう、同業風吹かせて見に行って、モノ・ウツワ・空間だけでおしまいになってる人が多いです。

非常にもったいない。

あなたの仕事が、バイヤーや店舗設計ならそれでもいいです。でもアパレル販売員なら、他にも見るべきところがあるんじゃないかなって。もちろんモノ・ウツワ・空間も見たほうがいいけど。その同業風要らないから、普通のお客さんとして接客されてみるといいですよ。自分もこんな風に映ってるのかなー、なんて、気付きがきっとあるはずです。

お客さんの気持ちは知りたいけど、本人じゃないからわからない。
それでもお客さんがどんな体験をしながら買い回りして、販売員の自分の前にやってきてるのか少しでも知ることができたら、ちょっとは気の利いたことが言えるようになる気がして。

これ言っておけば大丈夫なんて、魔法のアプローチの言葉は無いんですよ。マニュアル本は接客ごっこの台本でしかない。そんなの読むより、自分で体験して考えたほうが早いって。

そのうちあなたのお店にも、おじゃまするかもしれません。
そのときは、あなたから買う気にさせてくださいね。カード持って行きますから。

 

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About 森野 68 Articles
森野 2018/7/1迄、TopSeller.styleブログ火曜日を担当。