こんにちは、森野です。
全国的に寒波が襲来しており体感的には春物どころではありませんが、販売員のみなさんいかがお過ごしでしょうか。
寒い時期からの春物着用はアパレル販売員の宿命ですが、お身体にはどうか十分お気をつけください。
今日は、ファーストアプローチのおさらいです。
察して、接して、発見(確認)するためのアプローチができていますか
セール明けSS立ち上がりのこの時期、朝礼などで「接客を切り替えていきましょう」と言われることが多いと思います。
「セールのノリで接客するのそろそろやめようね」という意味ですが、では具体的に、どんなアプローチが成功しやすいか改めて考えてみましょう。
「セールのノリ」とは、お買い得感のアピールを指します。
セール中、特にピークタイムは
「定価の時も人気だった商品が〇〇%オフです(→定価で買った人が多いけど、あなたは今こんなに安く手に入れられます)」とか
「あると便利な春先まで使えるアイテムが〇〇%オフです(→似たような春物が出てからあえて定価で買うより、今買っておけばこんなに費用が浮きます)」とか
「12月に入荷したての商品ですが、季節ものなのでセールの対象になっています(→新商品なのに安く買えます)」
などといきなり切り込んでも、お客様の反応が得られたと思いますが、これは前提として
おトクな思いができたらいいなと思ってお店に来ているお客様に対し
販売員がそれを察して(先入観の人もいますが)
その気持ちにクローズアップする言葉で接して
お客様が反応したことからニーズやウォンツを発見(確認)する
という基本的な流れがハマっていたからなんですね。
なので、この流れを、たまたまそういうお客様が続いたからではなく、流れ作業的に繰り返していた人は要注意です。
察したことは、接して裏付けを取ろう
1月はじめから、空き時間を使ってかなりの数のショップを回ったのですが、残念ながら「決めつけられてるな」と感じるアプローチは非常に多かったです。
ワーストは、「春物見つけた♪」と思いながら〈New Arrival〉のPOPがついたラックを見ていたら、突然出てきた販売員に「そちらは新作なのでセール対象外なんですよー」とものすごく申し訳なさそうに言われたこと。あの下がり眉の角度は忘れられません。
決めつけられる違和感は、そのあとのコミュニケーションをとる気を全く失くさせる、この上ない感覚です。
そうじゃないけど、そうじゃないって自己開示するのも馬鹿馬鹿しいし、ああ、もうそれでいいです、という気分になります。
一応、観察をしようとしている販売員は少なくないと思うのですが、見て察して分かった気になって、即お客さんを振り分けてしまう傾向があるのは何故なのでしょうか。
観て察したコトは、本人に聞いて確かめないうちは、ただ一方的な想像でしかないのに。
接して確認して、提案することのメリット
もし前述のワースト販売員が、春の新作をセール対象だと思ってはいけないと考えてわざわざ声をかけてくれたのであれば、「春物、目を引かれますよね。冬物のセール中ですし、まだあまり入って来ていないのですが、ぜひご覧ください。この春はこの辺りが…」など、商品に目を引かれているという事実を共感で確認し、反応を見ることができたと思います。
セールではないと分かればフェードアウトするお客様もいるでしょうし、セール対象外なのは残念だけどそれならそれで春物の話を聞いておきたいお客様、HPをチェック済みで今後の入荷の予定も知りたいお客様等々、人によって興味の方向と度合いの違いが表れます。
なんで今日この時間にここへやってきたのか、なぜその商品が気になったのか、いつから気になっていたのかなど、聞かないと(教えてもらわないと)分からないことも多いです。
その確認ができると、ニーズやウォンツへのリーチと提案を非常に効率的かつ効果的に行うことができます。
これが顧客満足につながります。
お客様、あなたのことを教えてください
「アパレル販売員が上から目線だった」とか、「お客さんが何も知らないと思って話してくる販売員が多い」とか、お客様サイドの不満を目にすることがよくあります。
実際のところ、お客様の中にはそういう接客スタイルのほうが「頼りになる!」と思われる方もいらっしゃるのですが、
大前提として、どんなに詳しくても、お客様に用のない商品の話をわざわざ教えてあげる必要は無く、
お客様がどういう人なのか販売員が教えてもらうのが先です。そうでないと、まともな接客が始められません。
聞く姿勢を、改めてみるにはいい時期です。