【モノの価値を高めるVMD】

最近めっきりと涼しくなってきましたね。冬になる手前の微妙な気温や澄んだ空気の透明感など季節は秋が一番好きなkazです。こんにちは。

ちょっとセンチメンタルになる秋という季節ですが、ファッションコンシャスにはたまらない季節かと。

気温的にもジャージ、ニット、シャツ、アウターなど色々なアイテムが着れるし防寒などの機能性もそんなに必要ないこの時期こそ思いっきりファッションを楽しみたいですよね!

何の関係もない話をしてしまいましたが今回はこれ!

【価値を高めるVMD】をお届けします!

今回の記事は高単価、もしくは百貨店系向けになっていますがそれ以外の方も見捨てずに「へ〜そ〜なんだぁ」と、生暖かい目で見てやってください 笑。

 

それでは、スタート!

 

商品価値を高める

 

まずは思いっきりストレートにそのままズバリ!

高そうに見せよう!です

では、どうすれば価格以上のモノに見えるか?

雑貨とアパレルに分けて書いていきます。

・雑貨やバッグ

アパレルよりも高く見せやすいモノたち。これらを価値以上に見せるのに有効なのは・・・

【ネガティブスペース】!

ネガティブスペースとは余白、背景となる空間の事を表す言葉です。言葉のイメージではあまり良い印象ではないですが、ディスプレイやイラストなどにはとても重要で、これの使い方で良し悪しが決まる!というものなんです。

シェルフやケースなどでネガティブスペースは適度な緊張感と高級感を演出し、余白によるパーティション効果で商品単品の訴求力が上がります。

取扱商品の価格が高ければ高いほどこのネガティブスペースの活用が大切になってきます。

簡単にいうと余白が少ないと雑多でチープに見えるのでそれなりの価格帯のブランドは気をつけようね!って事です。

 

そしてもう一つ重要なのは【向き】!

正面まっすぐに置く事を基本としてそこから派生させていくのがベスト。
横を向けるのあれば横を、正面なら正面。まずはきちっと歪みをなくすように配置していく。
そうすれば自然と緊張感と高級感が出てくるのでまずはこれらを作ってから崩していけば良いのです。

違和感を作るためにある一箇所は崩す・・・なんて風に。

整ったところを一部崩して違和感やアクセントを作る方が簡単なんですよね。
元が煩雑だと崩しているのか崩れているのか分からないですからね。

失敗例としてよくあるのが主導線のトラフィックの流れに対してメインとなる方向に全てを斜めに向けてしまう・・・これはよく見ますが正直【圧がすごいっ】としか感じない。

全てがこちらを向いていて迫ってくる感じがするし、全てが面として見えるために視覚情報過多で遮断してしまってあまりしっかりと見ないです。

モノにも視線があるので見せすぎ、見過ぎは注意ですよ!

・アパレル

こちらも大切なのはやっぱり【ネガティブスペース】。ラックの場合は【ハンガーピッチ】という方がメジャーですね。

以前にも書いてますがハンガーピッチとは「ハンガーフックとハンガーフックの間の間隔」の事で、このピッチを広げれば広げるほど高級感の演出になるのでアパレルでも「余白」の取り方が視覚的に与える印象に深く関係しています。

ちなみにサイトー調べでは多くの百貨店ブランドはハンガーピッチ70mm〜80mm程度の間隔でハンギングされていて、このピッチだと仮にW1200のラックに対しては役15本前後の展開本数となります。

これは多くは無いけどこれ以上展開するとちょっと詰め込みすぎてチープかな・・・と、いう境目でしょう。

一番見やすいのは100mmで間隔が開きすぎず詰めすぎずと行ったベストバランスじゃ無いかなぁと感じています。この辺りはブランドの価格帯や見せたいイメージによって決めていけばいいのですが一つ注意気をつけていただきたいのは

展開しすぎは逆に見えずらくお客様が見る時間は減る

です。

ピッチを広げすぎてスカスカになっても魅力は出ないので何事も程よいが一番いいですね 笑。

後は什器の向きと配置です。
アットランダムに斜め、横、正面・・・のように規則性がなく前述のバッグの様にトラフィックに対して全てを面として見せるような店舗はどこか雑然として見えます。やはり崩す場合はここぞ!という場所に限定して行う方が効果的ですよ。

 

付加価値をつけるのは商品にだけ?

VMDの業務には店舗空間の演出も含まれ、先ほど書いた什器の配置や使用するプロップスなど含めて店舗全体でどのような印象を与えるか?をコントロールするのもVMDの仕事です。

商品を含めた店舗全体で価値を向上することが出来ればブランドロイヤリティを高め、顧客満足に繋がります。同じ価格、同じようなモノが溢れる時代にわざわざここで買ってくれているのは何かしらの価値を見出されているからこそです。

それが接客なのか内装なのかディスプレイなのかそれぞれの理由があると思いますがお客様全般には共通して言えることは

誰だって綺麗でおしゃれで価格上の付加価値のあるところで買いたい

だと思います。

極端な例で言えば100均ならse○iaが取り扱う商品もオシャレだし内装もクリアで綺麗、陳列もしっかりとゾーニングされていて見やすいのでse○iaに行こう!ってなりますよね?

例えは100均ですがそれぞれ自店に置き換えてみると確実にse○ia以上に綺麗で見やすく触りやすくなっていますか?それこそ価格同様に数十倍から数百倍そうで無いと価格と価値が釣り合いませんよね?

まぁ、この例えは本当に極端ですが 笑。

何も全てが高そうに見えれば良いというわけではくて(価格以下に見えるのは論外ですが)、価格以上の価値がそこに見いだせるか?です。

それは高そうに見えるでも良いし、ゆったりとした店内でいい接客を受けられるでも良い。
または、スッキリ見やすく整理されていてストレスなく買い物が出来るでも良いわけです。

 

今あるモノを100%以上の状態に良く見せる

 

これがVMDの基本であり、特にディスプレイの目的としてその価値をお客様に感じてもらえる素敵な売り場でありたいですね。

 

それではまた来週。

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Kaz
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ドメスティックブランド、ラグジュアリーブランド(全てメンズ)で販売及びVMDアシスタントとして経験。販売歴10年。販売時代は店鋪VMD、CRM、スタッフ教育など全てをこなすオールラウンダーとして活躍。その後現会社にVMDとして入社。基本ミセスアッパーブランドを軸に、卸展示会、SC系レディースから百貨店の婦人服、雑貨のブランドを経験。販売経験を元に顧客目線、販売員目線でのVMDを得意とする。店作りのモットーは『買い易く、働きやすい 顧客にもスタッフにも優しい店作り』