ZOZOオーダースーツ狂騒曲からわかる「織物と編み物の区別」ができていない人が多すぎる件。

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ZOZO(ゾゾ)がオーダー(カスタム)スーツを発表して話題になっていますが、同時にホールガーメントの導入も発表しました。

参考 https://www.fashionsnap.com/article/2018-07-03/zozo-businesssuit/

オーダースーツに関してはスーツ専門の人に譲るとして、ホールガーメントについては業界メディアを除くマスコミも、多くの人も誤解しており、事実と異なる解釈がまかり通っています。

 

ホールガーメントというのは、編み生地を作るための編み機です。
無縫製でセーターやTシャツ、トレーナーが作れる機会です。

ところが、多くの人が間違った解釈をしており、ホールガーメントとは3Dプリンターのごとく、一体成型でさまざまな種類の服が作れると解釈しているのです。

生地には「織物」と「編み物」の二種類が存在します。

通常のスーツ、ジーンズ、ワイシャツなどはすべて織物で組み立てられています。
織物とは、経糸と緯糸で構成されている生地で、ストレッチ素材を混ぜたり、特殊な加工を施さない限り伸縮性はほとんどありません。

編み物とはいわゆる手編みセーターを思い浮かべて欲しいのですが、少ない本数の糸を編んだ生地です。
ストレッチ素材を混ぜなくても伸縮性があります。
綿100%のTシャツやウール100%のセーターに伸縮性があることを考えれば理解できると思います。

最近では、伸縮性のある編み生地を使うことで着心地を高める取り組みがあり、ニットシャツ、ニットジャケット、カットソーシャツ、カットソージャケットなんかがあります。
ジーユーのカットソースーツも、編み生地で作られたスーツです。

ですから、ホールガーメントでスーツやコート、ワンピースが作れるといっても、それはニットスーツ、ニットコート、ニットワンピース、カットソースーツ、カットソーコート、カットソーワンピースの仲間が作れるだけのことです。

多くの人が思い浮かべる「通常のスーツ」「通常のジーンズ」「通常のコート」は作れません。
なぜなら、ホールガーメントは編み物を作る機械で、編み物を作る機械で織物を作ることは、機械の構造が異なるため不可能なのです。

 

ホールガーメントとは島精機製作所が開発した機械ですが、島精機製作所のサイトには「インレイ素材でワンピースやジャケットも作れる」とありますが、インレイ素材も編み生地なのです。

大雑把な説明をすると、Tシャツ生地とトレーナー生地の中間形態みたいな編み生地です。
通常のTシャツ生地よりもハリやコシがあるのが特徴です。

ですからインレイ素材のジャケットというのはカットソージャケットの仲間ですし、インレイワンピースというのはカットソーワンピースの仲間なのです。

メディアの中の人も、多くの一般消費者も「織物」と「編み物」の区別さえできていないからこういう混同が起きてしまうのです。

もちろん、このサイトの読者である販売員の皆さんは、織物と編み物の区別はできていると思いますが、もしできていない人がいたら、今回良い機会ですので、きっちりと区別できるようになってください。

 

さらに詳細に説明しているので興味のある方はこちらもどうぞ。

 

ZOZOのオーダースーツがホールガーメントで作られるという完全なるミスリード

 

 

 

こちらのイベントもよろしくです!!

イベント終了後の夜の部は、、、

「南 充浩の放送禁止酒場」もやります。

 

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南 充浩
About 南 充浩 101 Articles
1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間15万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブログ( http://minamimitsuhiro.info/ )】

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