クロージングを考える
クロージングとは
一般的に接客の終盤、お客様が商品を購入するかどうか決める場面に販売員が誘導し、購入につなげることを指します。
◆選択肢を絞る(3つ以内がベター)
◆買い物の要点を整理する
◆お客様が最終的な質問をしやすい空気をつくる
このように、お客様が意思決定をしやすい環境をセットすることがポイントです。
以前、何かの記事で、アパレル販売員にクロージングが苦手という悩みを持つ人がいると知って驚きました。「押し売りと思われたくない」とか「どうして欲しいのかわからない」とか、そんな理由だったと思います。
いろんな悩みがありますね。
二段階クロージングのススメ
そんな悩みは置いといて、ここでは接客の中で2回クロージングをすることをオススメします。
どういうことかというと、お客様はピンポイントの目的買いの場合を除いて、選択肢が多くて困っています。
だからまず、ご提案した商品をお客様の「見てるだけ」から「買う候補」のリングに乗せる必要があるのです。これを、一次クロージングとしましょう(注:完全に森野説です)。
例えば、父の日のプレゼント。
予算が1万円として、ネクタイ、ボールペン、帽子、ベルト、お酒、パジャマ、等々、まずアイテムからして決まっていない状態でお客様はご来店されています。
決まっているのは、なんとなくの予算だけです。
あなたがアパレル販売員で、お店でネクタイを扱っているとしましょう。
アプローチからお聞きだしまで感じよく順調に進み、ご提案したいくつかのネクタイをお客様は気に入ってくださっている様子。
でも
「じゃあ、これにしようかな!」の一言が出ない…
あるあるですね。
焦らず、待つ
ここで待てない販売員は、もう一度セールストークを力説したり、違うネクタイを持ってきてしまいます。
セールストークの力説は自爆の一途です。
それこそ、決断を迫られて押し売られる印象になりますから。
違うネクタイを持ってくるのは、クロージングの段階で選択肢を増やすという、なんと自ら振り出しに戻る凡ミスです。
一次クロージングの観念で、販売員の適切な一言を挙げるとすれば
「この中だったら、どれが似合いそうですか?」です。そうすると、お客様はお父さんの顔や、いつも着ている服を思い浮かべ、比較の段階に入ります。
これを皆さまご存知の「購買心理の7段階」に落とし込んで説明すると
に於いて②興味の時点で「この中だったら?」の一言によって③連想させ「仮に、この中だったら」というニュアンスで④欲望の有無は軽く無視させ、⑤比較に入らせる流れです。
予定通り買い物に一日費やさせることも、満足度をUPする技量
「んー、この中だったらこれかな」と返事がきたら、すかさずとどめのセールストーク!ではなく、その理由を聞いてください。聞くといっても直球で「なぜですか?」ではないですよ。
そこが知りたい!という人は、私と一緒に仕事をするか、トプセラコーチに登録してください(宣伝です)。
話を戻して…
ここまでくると、⑥の確信が生まれます。
「ネクタイにするなら、これがいいな!」となるわけです。
ここで一回、リリースします。他を見に行ってもらってください。あなたより上手な販売員が現れなければ、お客様は必ず、あなたのところへ戻ってきます。
そうしたらあとは⑦決断を促す(二次クロージング)だけでOKです。お客様はきっとあなたがオススメした商品を買い「一日がかりで良いプレゼントが買えたぞ」という満足感と、心地よい疲労感とともに帰っていかれることでしょう。
そんなわけで、以上、二段階クロージングのススメでした。