アパレル販売員が見失う一般世間の常識

販売員の「フツウ」は、世間一般の「非常識」?!

「オシャレだけど…着ないかなぁ。」「こういうのって、いつ着るんですか?」というお客様の言葉に、あなたはどう返していますか?

「全然普段から着て大丈夫ですよ!!」とか「ちょっとしたお出かけの時にぜひ」とかでしょうか?

もし心の底から本気でそう思って言っているとしたら、ちょっと麻痺してるかもしれません。
販売員の感覚でフツウの服とかちょっとした色柄ものって、8割方の普通のお客様にとっては、たいそうなシロモノだったりします。販売員は目が慣れちゃってるんですよね。

ファッションが当然の販売員、ファッションが特別なお客様

あなたが今日、販売員ではない仕事に転職するとします。現在お店で着ている服、全部そのままスライドして通勤や仕事に使えそうですか?

これが結構、無理なんですよね。
例えば事務や営業の仕事に就いたとします。職場など周りの目線などを考えると、クローゼットに売るほどある服の中から、何も気にせず使えるものはきっと数着程度です。

他業種から販売員に転職された方は、入社当時を思い出すといいかもしれません。
手持ちの服や小物が店頭で着られる感じでなく、出費がかさみませんでしたか?

それだけ、販売員が日頃店頭で着たり触れたりしている服装は、世間一般の感覚からズレているのです。

街なかで「おしゃれな人」を見かけたとき「同業かな?」って思いませんか?
つまりそういうことです。浮いてるんです、良くも悪くも。

情報は、お客さんのフィルターを通して見よう

アパレル販売員の皆さんは平日のお休みも多いし、自宅や休憩室などでお昼の情報番組を観ることも多いのではないでしょうか。
トレンドチェックとか全身お着がえコーディネートとか、よくやってますよね。

あなたはあれを観て、どう思いますか?

私は、番組をオシャレだなと新鮮に思って観たことはありません。言い変えると、参考にしようと思ったことがありません。

それはなぜかというと
そのトレンドをもう随分前に知っていたり、もっといいことを知っているからです。

あなたはどうですか?

そして、あなたのお店のお客様層はどうですか?

ヒルナンデスとか観て「なるほどね〜!ああやって着るのか、いいこと知った!」と思ってお店にやってこられる層が多いことを、無視できないはずです。TVはマスメディアですから、それがマスであるという意味で正解です。あれを観て〈あんな感じの服〉を目当てにやって来るお客様が大半なのです。

センスがどうとか言ってるわけではないです。
お客様の日頃の情報源は抑えておくべきで、そこからかけ離れた提案をしたって壁ができるだけだということです。買って着るのはお客様ですし、販売員みたいなスタイリングで普通の会社に出勤したら目立ってしょうがないわ。

かわいいものと、欲しいものは違う

ということで、どうすればいいかというと、

お客様にとって再現可能なオシャレに寄り添いつつ、ちょっとしたレベルアップを楽しんでもらう
こういう感じを落としどころにすればいいと思います。

ひとつ提案してみて、もし「かわいいけど(オシャレすぎて)着るとき無さそう」と言われたら

「大丈夫ですよー」なんて意味不明な返事をしないで、着るときないって言ってるんだから着るときありそうなコーディネートに素直に修正して、少しずつトレンドを薄めながら提案をし直していきましょう。

活字にすると当たり前に思えますが、お客様のこの一言に共感できていない販売員はけっこういます。

そんなときにお客様が感じるカベは
苦手な食べ物の話をしたとき「えー、おいしいのにー」と言われて「あぁ、この人とは話しても無駄かな」と思ってしまうのに似ています。

かわいいだけじゃダメなんです。
お客様の声に耳を傾けましょう。

 

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About 森野 68 Articles
森野 2018/7/1迄、TopSeller.styleブログ火曜日を担当。