こんにちは!3日のセールス、店舗マネジメント担当Kosです
年内最後の記事、張り切っていきましょー!
ようやく寒くなりましたねー。気温の力を借りないとなかなか秋冬アイテムは売れないので需要が高まって欲しいと思うばかり。
そんな中で一番と言っていいくらい苦戦を強いられているのが、
僕が一番得意としていたドレスです。
ビジネスウェアはこの状況下ではなかなか優先順位の高い買い物にはなりません。これは、つらいですが事実です。
だけど、このままドレスが下火になるのもなぁーと悶々、、、
というわけで今回はドレス・スーツ販売の記事を書くことにしました。
僕はライフスタイル系のセレクトショップに勤務しています。
セレクトショップのウェアジャンルは大きく分けて2つです。
カジュアルとドレス(スーツ系)です。
ドレスという言葉は、馴染がない方もいるかもしれないので簡単に言うと、スーツ系のアイテムたちです。
スーツ、ジャケット、スラックス、ネクタイ、ドレスシャツ、革靴が該当しますね。
僕のブランドだとスーツの価格は中価格帯です。量販店より高いけど百貨店系列などより安いという感じ。具体的には、
上下セットのスーツが高い物は10万円、低い物だと4万弱というところです。
ジャケットだと2万円~
シャツ8千円~
ネクタイ 6千円~
となります。
セレクトでスーツを購入される方は、ちょっといつもと違う提案を求められるので接客提案も必要なジャンルです。
知識習得が難しくかならず努力が必要
ノリと勢いで売る部分がアパレルにはあります。これがこの仕事の面白い所。
それは今は置いておいて、
素材、シルエット、ディティールが主に必要な知識
素材はカジュアル同様多様です。ウール、フラノ、綿、麻、ポリエステルなど。
ウール1つとってもスーパー110、番手など生地を作る糸まで知る必要がある。
糸は撚り(より)が2本と3本では見え方は異なるし、
織り方も平織り、綾織りでどう表情が変わるのか?ヘリンボーンは?
デザインは2ボタン?3ボタン?その3ボタンは段返りの3つボタンじゃないの?
ブランドで提案しているデザインはアメリカンなのブリティッシュなの、イタリアなの?
縫製、ディティールは、額縁仕上げ、本切羽、ボタン平付け・重ね付け、センターベント、サイドベンツ
などなど、覚える知識がカジュアルとは異なり多くなる。
さらにさらに、重要なのはお直しの知識。
スラックスの裾を直すなら、シングル、ダブル、モーニング。ダブルにするなら幅は?糸止め、ボタン留め?
シルエットもいじります。裾幅、ワタリ、ウエストも調整します。
ジャケットの袖もお直しがある。袖から詰める。出す。必要なら着丈もカット。
とザックリと一部の紹介でこれだけあります。
これらを覚える、接客で使えるからお客様に信頼されていきます。
ドレスアイテムは比較的高単価です。ただサイズがあえばOKというわけではない。
お客様に接客を行う際に必要なのは、高い買い物でのリスクを感じさせない、失敗をさせない事です。そのために、
安心していただく、納得してもらうための知識です。
生地メーカーは沢山あります。生地メーカーだけ知っていてもスーツは絶対に売れません。
わざわざ高いセレクトショップでスーツを検討されるのです。それに答える努力が必要です。
経験則ですが、この知識が深いスタッフほど顧客も多い傾向があります。
もちろん、全ての知識を使うことはありません。実際の接客ではコンパクトに伝えます。
生地→なぜ高いのか?機能の説明
シルエット→ブランドが着てほしいスタイルの提案
ディティール→長く着るものだから、そのこだわりを伝える
の感じです。
ドレススタッフの教育に乏しい現場の実態
先に挙げた、知識という部分。セールストークにもつながる大事な部分ですよね。
ではこういった知識や接客の技術はどうやって覚えるのか?
結論としては、OJTと独学です。
本部が講師を招いたり、スタッフを集めて研修などはほとんどありません。まったくないということも珍しくない。そのため、
配属先の先輩に教えてもらう。もちろんマニュアルなどない。そのため、配属先のスタッフが詳しいかはかなり重要。
僕の場合、もともとドレスに興味があったのでオーダーのお店で接客を受けたり、本読んだり、本部に問い合わせて教えてもらう時間を作ってもらって勉強していました。
体系だって学べる場がないというのがリアルなところです。
そのため、売れるスタッフとそうでないスタッフがはっきり別れます。
ある意味スタッフの趣味からくる勉強に支えられています。
ただ、こういった点から若いスタッフはドレスアイテムを扱うことに苦手意識を持つことが増えています。もともとスーツを着て働いたことがある人が少なく。アパレルを志す場合入口はカジュアルです。そこから、ドレスに興味を持ってもらうのは先輩スタッフの悩みです。
ドレス販売において顧客は生命線
ドレス販売のネックは、毎日安定して売れない事である。
平日はほとんど売れないというのが現実です。土日で売れるかどうかの博打感があります。
売上が安定するには、オンタイムと需要が重なる時です。衣替え、新生活、結婚式などタイミングがありますよね。
そして、顧客化です。
ドレスは高単価でもあり、セット販売がしやすいジャンルです。リピートがあればかなり売り上げは安定します。そのため、顧客が必須です。
ただし、顧客化以前に商品をきちんと接客できなければいけません。
しっかり接客対応、知識がある人が顧客から選ばれます。人前で着る物、仕事で着る物にこだわりを持つ方の方が顧客になることが多いです世界です。
大前提はパーソナルな販売員ではなく、きちんとした提案というのがドレス販売の特徴でもあります。
そして、実はブランド内で展開されるアイテムのシルエットの型は実は2.3型くらいしかありません。品揃え豊富なお店ならもっとあると思いますが、僕のお店は2型しかありません。サイズ幅が実は少ないのです。
だから、
サイズが合った方というのは必ず顧客化に繋げなければいけない。
一度顧客化が成功すると、その後の提案が非常に楽になる。
お客様自身もスーツを買うお店をいくつも探すのは手間で再来店が増える。スーツの購入は時間がかかりますから。
そこを短くできる、専属スタッフのような立ち回りが求められます。
こちらで採寸、お直し、その後の商品受け渡しを配送にするなど、来店からお渡しまでを全て任せてもらえる関係にまでなる必要があります。
店頭では裏の努力は見えないジャンルですが、僕はドレスに携わる人の勉強熱心さを知っています。
商品知識、接客、顧客、全てのスキルを使うのがドレススタッフです。
厳しいですが、負けずに売っていきましょう!
それではまた来週。