こんにちは、森野です。
最近、誰かにプレゼントを買ったのはいつですか?
私は先月、お誕生日プレゼントを買いました。
大人になってプレゼント選びには慣れてきたつもりだけど、これと決めるまでにはやはり時間がかかってしまうものですね。
- 何がいいかな、何が喜んでくれるかな。
- 私はいいと思うけど、相手はどうかな。
- 過度にし過ぎて、気を遣わせてしまうのはよくないな。
毎回、このあたりが悩みどころです。
お客様のプレゼント選びこそ販売員の出番
アパレルや雑貨の売場に立っていると、お客様のプレゼント選びに立ち合うことが多いです。しかし、一緒に悩んで終わってしまう販売員が多いのが現状。中には、お相手が喜んでくださらなかったときの責任はとれないからと、クロージングしない人もいたりして、やれやれです。
第三者の意見が欲しいお客様はお友だちでも連れてくればいいのでしょうが、今日決められるかもわからない、何時間かかるかもわからないお買い物に付き合わせるのははばかられるのが常です。
そうなったとき、いるではありませんか、販売員がそこに。出番ですよ!お役に立ちたいものですね。
そこで、以前私が実際にした接客をもとに、プレゼント選びに悩むお客様にアパレル販売員ができることは何か、整理してみたいと思います。
プレゼント選びに悩むお客様の頭の中は混乱している
そのお客様は、少し混み合っている店頭に早足で入ってこられました。商品を手当たり次第に触ったり、他のお客様を接客しているそばに来て、他のお客様がご覧になっている最中の商品にも手を出さんばかりに聞いています。20代前半の男性のお客様です。ダメージデニムに真っ赤なニット、短髪にキャップ、そういう年頃なのか肩で風を切って歩く感じ。ちなみにお店はレディスのブランドです。
とっさに「あのお客様やばいな、頭がはち切れそうになってる…」と感じた私は、接客していたお客様を早め早めに切り上げて、声をかけました。
なぜはち切れそうに見えたかというと
商品を手当たり次第に触る⇒お目当てが決まっていない。
接客している話を近距離で聞いている⇒情報が欲しい、接客して欲しい。
からです。
聞けば、予算は決めてないと啖呵を切られたものの、たまたま手に取られたバッグは10万円を超え、さすがにオーバーだった様子。
「あー、もうマジ、わからねえ!!」
かきむしるほども長くない髪をくしゃくしゃして、目を合わせようとしません。一生懸命なんですね。
少しずつお聞き出しを進めます。
23歳になる彼女さんにお誕生日プレゼントを探しているのだそう。
彼女さんがこちらのブランドのバッグをお持ちだそうです。気に入ってるみたいだからここに何かあればとご来店くださいました。
お客様のご予算イメージからいくと長財布がちょうどいいのですが「長財布は結構前だけどあげたことあって、今もそれ使ってるから財布なら小さいやつかな。」とおっしゃいます。
そこで、小さいお財布をいくつかお見せしたところ「これ、開けたときうれしいすか?ちっさくないすか?」とのこと。
では2個にしてはいかがと、カードケースも合わせてのご提案をしました。
一瞬気に入った素振りを見せましたが、ここまでの様子から感じたことがあったので、私の方から仕切り直させていただきました。
プレゼント選びの秘訣:贈り主様の納得と安心を考えること
このお客様のプレゼント選びのポイントをまとめると
結構前だけどあげたことがある⇒彼女との付き合いは数年ある。
プレゼントの箱の大きさを気にされる⇒大きさでインパクトを持たせたい。
3つとも叶う商品が予算内で見つからないので、お困りです。では、2つ叶えるとしたら?
このお客様が一番不安を感じるのは、箱の大きさ。というのも、遠距離で当日に会えないから送りたいと言います。彼女が受け取ったときの顔を見られないからこそ、不安になるのですね。わかります。
そうしたらもう、本当は長財布が一番安心なのです。ネックは「あげたことがある」こと。彼女さんに、またお財布…と思われたくないのでしょう。しかし先ほど「結構前だけど」とおっしゃっていました。ここは長財布に決めていただくのが最適解と考えた私は、お客様の考えを一気に覆しにかかりました。
「お財布って、もらったのを使っていると、そろそろ変えたくても贈ってくれたひとの前で違うお財布使えなくないですか?同じ人から新しくもらうまでは、なんとなく変えづらいですよ。」
一緒に悩まず、客観的な意見で「理由」を提案
それを聞いたお客様は「あ、今のすげー納得した…。」と言って、3秒後には長財布に決めていました。
プレゼント選びは、相手を大切に思うほど妥協できないものです。それは、妥協したことで贈り主である自分の心に悔いが残るから。でも相手の好みや渡すシーン、予算、これまでのやりとりを踏まえると、必ず「あちらを立てればこちらが立たず」な事態になるもの。そこを決着させるためには、妥協ではなく納得できる「理由」を、贈り主であるお客様にあなたからプレゼントしてあげてください。
ではまた来週。
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