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昨日、とある専門学校の授業にて「オムニチャネル」について講義をしておりまして。。
きっかけは下記の記事を見たからです。
タブレットで取り寄せも、ロコンドが百貨店にオムニ拠点開設
こちらの記事を読んで非常に違和感を覚えました。2012年頃くらいからのバズワードで、既に定着した用語ではありますが、まだ一部では正しく理解されていない気がしています。という訳で本日の授業は「オムニチャネル」についてです。
(すみません、勝手に授業ノリです。。)
オムニチャネルって何?
ではここで「オムニチャネル」について簡単におさらいです。
①シングルチャネル時代
インターネットがなかった頃、お客は商品を見る為には店頭に行くしかなかった。お客と商品を繋いでくれるのは「店頭」という一つのチャネルしかなかったのです。これがシングルチャネルの時代。
②マルチチャネル時代
ブランド側は顧客とのタッチポイントを増やすべく、「カタログ」や「テレビ通販」、そして「EC」や「SNS」に手を出していきます。商品と繋がるポイントが複数になってきた。これがマルチチャネルの時代。
③クロスチャネル時代
この複数のチャネルが今度は交差するようになってきます。「EC」で商品を注文して「店頭」という別のチャネルで受け取りが可能になったり。。これがクロスチャネルの時代。
④オムニチャネル時代
オムニチャネルとは「全てのチャネル」という意味で、どのチャネルでも同じようなサービスを受けれる事を意味します。
例1)EC上で店頭の在庫がわかる。→ 本来は店頭に行かなければわからなかった事ですが、現在はEC上で同じサービスが受けれます。
例2)InstagramやWEARでスタッフの着こなしが見れる。→ 店頭スタッフのコーディネート提案を画像で自宅でも見る事ができるようになった。
インターネットやその他、複数のチャネルで店頭と同じサービスが受けれるというのは、お客の利便性が格段に向上する極めて顧客視点な考え方です。
オムニチャネルの本質は「いつでも、どこでも」
本文から一部抜粋しますと、
“ロコンドは8月24日、そごう・西武の3店舗に専用の売り場を設け、通販サイト「ロコンド」の幅広い品ぞろえの中から百貨店店頭にはない商品を展示・販売するほか、店頭販売員が専用タブレットから「ロコンド」で扱う商品をおススメできるようにし、来店客が気に入れば店舗に取り寄せる取り組みを始めた。展示・販売は主力の靴から開始し、今後は服なども対象とするほか、そごう・西武の他店舗や同社以外の百貨店ともタッグを組んでいく。
ロコンドは、今回の取り組みを”地方活性化オムニ戦略”と位置付けており、取り扱いブランドが限られる百貨店の中小型店などでも、「ロコンド」の取り扱い商品の一部を展示するショーケースとタブレットを設置することで品ぞろえが一気に広がる。”
ロコンド専用売り場をそごう・西武に作り、そこでタブレット接客まではいいでしょう。しかし店頭に無い商品をタブレットから取り寄せ顧客に購入させるというのはどうなんでしょうか。これって、店頭で顧客にネット通販させてるだけじゃないんですかね。
オムニチャネルの本質って、「いつでもどこでも同じサービスを」のはず。店頭に来た顧客に、店頭に無い商品を注文させる。という事は実物を見ていない顧客が物を確認するには再度来店しなければならない。そこで気に入らなければただの二度手間です。店頭でもwebでも同じサービスが提供できなければならないのに、これを「オムニチャネル」と呼んでいいものか。
来店して商品を確認 → 後日webで購入
ECで気になった商品をサイト上で取り置き → 来店して確認
といったショールーミング、ウェブルーミングの購買行動とは違い、
来店 → 店頭に無い商品をタブレットで確認し取り寄せ → 再来店して確認
実店舗のメリットって商品を直に確認できるところ、つまりweb上よりも情報量が多いところです。なのに店頭でウェブルーミングさせるって意味がわからない。ロコンドにはメリットありますよ。百貨店も来店頻度上がるからもしかしたらメリットあるかも。でも顧客にとって本当に良いサービスと言えますかね。
店頭とwebをシームレスに考える
バーチャルフィッテングもクリック&コレクトも、店頭在庫がEC上で確認できるのもスタッフコーデをwebで提案するのも全部、店頭で受けれるサービスをwebに置き換えただけ。店頭とwebの境目を無くす事が「オムニチャネル」の目的でしょう。タブレット接客する事が「オムニチャネル」ではないんです。実店舗の情報量の多さをweb上でなるべく実現する。そこを忘れてはいけません。百貨店はO2Oと「オムニチャネル」を混同している。
そごう・西武の親会社であるセブン&アイホールディングスは「オムニ7」という自社ECサイトを持っているんだから、オムニチャネルをもっと理解すべきです。百貨店は今まで以上に顧客視点を重視し、より顧客の利便性を高める事を目指さないと、今後も顧客の流出は免れないでしょう。
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