ベテラン販売員が「自分の知っている事が相手も知っている」なんて思考停止になった瞬間に売上が下がる理由

こんにちは、ヨツモトです。

 

今週も引き続き【「トプセラ」パーソナルコーチ】で過去に相談を受け、
コーチングした内容をご紹介しましょう。

 

先週まで紹介したコーチングじはこちらですね。

「集客」したいなら「レジ」のスキルをあげるべし!!

「販売力強者」=「コミュニケーション強者」ではない理由。

「接客センス」なんてものは存在しない。

今週も「今の販売員が抱えるリアルな問題」です。

 

Q,根本的に入店数が少ないことが売上不振の1つの要因なのですが、ヒト、モノ、場所の3要素でアドバイス出来そうな事柄はありますでしょうか?

ざくっとしているので、取り組んでいること等何でも聞いて頂ければお答え致します。
まだ新しいブランドでありながら成功している四元さんの意見が欲しいです。

 

Ans.

今回は「集客」についてですね。

では、イキナリ答えですが「集客」は店頭で殆どできません。

はい。
身も蓋もない答えですが。笑

極論で言うとこーなります。
基本的に今のシステムはブランドや館が集客を請け負っており、
その集客したお客さんのクロージングを担当するのが店頭の販売員
(個人オーナー店みたいな感じは除く)となっています。

分業制です。

それに集客は今日やって明日増える訳でもなく、継続的に行っていく必要がありますしね。
そこを理解した上でそれでも店頭ベースで集客をかけていく方法をお伝えします。

 

分業制であるアパレル業界の構造で店頭販売員が集客できる方法

今回はSNSやブログなどのツール。
それにDMなどは外して考えます。
これはまた別の話でしましょう。

店頭で出来る集客。
殆どが「再来店客の客数増加」になります。

因みに先に店頭ベースでの新規客集客で一番効果あるのは「呼び込み」と言う事もお伝えしときます。
(基本これしかできない)
再来店客の客数増加も2パターンあり、
1.購入客の再来店集客
2..未購入客の再来店集客
と、わけられます。

この1.は先程書いたDMやwebコミニュケーションツールを強化していく。
これは多少なりともやっていると思います。

で、結構どの店も手付かずなのが「2」です。

つまり、店に入ったけど買わないで出てった人。に対してのアプローチです。
ベテランになればなるほど、「買いに来てるお客」を見抜く事ができ
効率的にその客への接客がメインになります。

ですが、店全体のマネジメントを考えるとそのスキルを

「今日買いに来ていない客」を見分けるのに使う事も必要となって来ます。

「買いに来ている」はある程度他のスタッフに任せ、あなたは「買いに来ていない」客を捕まえて
情報収集と情報提供をする必要があります。

収集は、

何故きたか?
何故この館を選んだのか?
普段どこにいくか?
普段何を買うのか?

これらの情報を収集する事によってお客さんが気がついていない問題をあぶり出します。

その問題点の仮説をたてながら、情報提供をする。
この際に一度「自分のブランドや店舗」なんて誰も知らない。というスタンスで情報提供する。

同じブランドに長年立っていると「お客さんは知っていて当たり前」もしくは、
「自分が知ってる事はお客さんも理解している」ってなりがちです。

ですが、本当にそうでしょうか?

一から自分が扱うブランド、商品をちゃんと情報提供すれば

必ずお客さんは新しい発見や気づきがあるはずです。

 

知っているのと理解しているのでは、大違い。

再来店を促す時に、「何か必要になった時」に、そのお客さんの頭の選択肢の上位4位に入らなければ、
お客さんはわざわざ来店しません。

その上位4位に入れるような情報提供を毎回やり続ければ、来店率は上がっていきます。

 

地道なやり方かもしれません。
でも、例えば今僕がやっている二週間というタームで戦う時には徹底しています。
1週目にきた初見のお客さんに翌週買物するなら、必ず上位4位に入れてもらえるような情報を渡します。

これが他ブランドのポップアップとの売上の大きな差になっている部分です。

店頭で出来る集客は限界がありますが、この方法は地道ながらもジワジワ効いてくる方法です。

 

理想で言えば買いに来ていないお客さんに、気がついていない新しい提案をしてニーズに変えてしまうのが一番です。

ですが、なかなかフラッと来た購買意思がないお客さんにそこまで詰めるのは難しいと思われます。

ですので、出来るスタッフがそこまでやりながらも、経験が浅いスタッフにはお客さんにちゃんと自分のブランドの紹介や、
ストロングポイントを端的にお客さんに伝えられるトークを身につけさせる必要があります。

1分でお客さんに次の買い物時にまたチェックしたくなるようなセールストークです。

これを徹底していくと、かなり変わっていきますよ。

 

 

ベテラン販売員になればなるほど「慣れ」という惰性を自覚し「だろう」という常識を疑えるか?

人間というのは勝手な生き物で「自分が知っている事や常識は、相手も知っていて当たり前」なんてすぐに考えます。

いや、考えているならまだしも無意識にそう思って相手に話している事も多い。

ですが、1年間に何万人って人数が来店するお客さんが本当にあなたのブランドやお店のことを
ちゃんと知っていると思っていますか?
理解していると思いますか?

たとえブランドが10年以上継続していても「名前は聞いたことあるけど、どんな物が売っているかしらない」
「店は知っているけど、どんなお客さん向けの商売しているか知らない」

もしくは10年前のブランドイメージや商品は知っていても、最新のブランドのテーマなんかは知らない。

こんな事はザラにあります。

 

下手したらヴィトンだって最近のファッショントレンドを牽引するスタイルではなく、
「丈夫な旅行鞄といえばヴィトンですよね」って昔のイメージで止まってる人だっているかもしれない。

本当に今のヴィトンがどんなイメージで、どんな商品を展開していて、どんなお客さんが来てほしくて
店を構えブランドを訴求しているか?知ってますか?

誰もが知っている聞いた事あるブランドでも、絶対なんてないんです。

 

あなたのブランドや店はどうですか?
ヴィトンに比べて知名度や認知度ありますか?

ほぼほぼ、そんな環境ではないはずです。

 

 

あなたのブランドや店の事をちゃんと理解してくれている顧客なんてホンの数%なんですよ。

 

 

これ、忘れてはいけません。

これ、忘ればければお客さん増えますから。

 

年末年始で来店が増える今こそ、忘れないで取り組んでくださいね。

 

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四元亮平
About 四元亮平 183 Articles
PLAY inc 代表/リテールコンサルタント 全力でアパレル販売員を応援するメディア「TopSeller.Style」主宰 文化服装学院リテイルブランディング科 特別講師 アパレル企業のリテールマネジメントやBMW japanなどの他業界でもセールスコンサルティングを提供し、近年はリテール販売員のDX化を推進するデジタルセールス&マーケティングコンサルティングも実施。 アパレル業界全体のリテールロイヤリティ向上を目指しwebメディア「TopSeller.Style 」の運営や文化服装学院の特別講師も務める。 リアル.デジタル.経営.ベンダー全てを経験し四方向のナレッジをカバーできるスキルが強み。