揺らぐ相対的価値を絶対なものと勘違いしていませんか?

こんにちは!

5月は来2019年春夏の素材展も多く東西奔走の毎日を送るなかみぞです!

物作りに関わると日々日々幸せだな〜楽しいな〜と痛感します。

ものづくりにもいろいろな段階、場面があると思うのですが、商品を物理的に作り出す段階よりも前で「価値の創出」という言葉にぶつかるケースが散見されます。

個人的にはそもそもその考え方も頭でっかちに感じなくもないですが・・・

それはいわゆるブランディングであったり、マーケティングという分野であったり、つまずく入り口もまたそれぞれのようですが、個人的に耳にして気になるポイントは相対的価値と絶対的価値についてです。

 

周囲に影響されやすい相対的価値

相対的価値って、周囲に影響されやすいです。

たとえば「◯◯の商品はここのあたりが雑に作られているけどうちのは・・・」

もちろん価値がないことはないですし、おおすごいね!となる一つのポイントですが、それを「自社の絶対的価値」のように認識してしまい、環境が変わっていくごとに不安になったり軸がフラフラしたり、最終挙げ句の果てには他をこきおろすことでしか価値創出が測れないというケースはよく見られます。

いっときの「中国製は作りがだめだ」を日本の価値として謳っていたものの、向こうの技術力の向上で現状のようになっている様子も、少し似た部分があるように思います。

しかもそのあたりは完全に「身内での相対的価値」でそこに消費者はいなかったりします。

それでどんどん消費者不在の商品が出来上がっていくわけです。

 

他と比較せずとも伝わる一本軸

なんども言うようですが、相対的価値に価値がないとは言っていません!

でも、他と比較しないと伝わらないもの=その比較対象を知らない人には伝わらない

ってことになります。相対的価値が必要になるのは、もっとミクロ(個人)に落ちたところ。つまり顧客各々のケアには役立つかと思いますが。

消費者見えてますか。というのはそういうことではないでしょうか。

しかも、人間がプレゼンなどを聞き始めてきちんと集中できる時間は、ほんの10秒くらいと言われる中、「どこどこと比べて◯◯が〜」というのはインパクト的にも頭に入りにくい、しかもその10秒で他社の話するなんてもったいないのでやめましょう。

一言で伝わるキャッチは、商品を作る段階で、そこに関わる人間の共通認識を芽生えさせるためにも非常に大切ですね。

 

いいと思うものを生み出し続けようという覚悟

最後に必要なのは、やっぱりこれだと思います。

実際、相対的価値というのは自社の今後の展望というよりも現状どこに比べて勝っているという話になってしまい、将来を見据えた話になっていない可能性があります。

でも、わたしたちものを作る人間がお客様に約束できるのは未来のことだけなんですよね。

人と比べてあれこれと言うよりも、絶対的価値を言い切るには勇気もいるし、続けるにはエネルギーもいります。

そう、ブランドって結構大変です。笑

よそばかり見ていても、自分たちの価値が自然と上がっていくことはまずないといっていいでしょう。

さて、掲げ続けることができる自分たちのビジョン、見つけることができますでしょうか。

 

 

 

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中溝 雪未
About 中溝 雪未 69 Articles
1990年生まれ。コレクションブランドの企画室でインターンからデザイナーアシスタントとして勤務。その後アパレルブランドで布帛・ニットをはじめとするデザイナーの経験を積み独立。現在フリーランスとして企画・デザイン・パターンを担当。 プロダクトアウトなものづくりからマーケットインまで、偏らないバランス感覚を武器に、コンセプトメイクからお客様に届くまでをディレクションするプランナーとして業界を問わず活動中。