質問力を上げる方法

オープン質問とクローズ質問のあいだを意識する

質問の仕方は、大きく分けて2種類あります。オープン質問とクローズ質問です。

クローズ質問は、イエスorノーで答えられる具体的な聞き方(例:Q.朝食はパンでしたか? A.はい)、

オープン質問は、具体的な言葉は相手から出させる聞き方(例:Q.朝食は何でしたか? A.ハムエッグと、パンと、コーヒーです)です。

一般に、クローズ質問はどんどん対象を絞りこんでいくため話が早いのですが、一方的になりやすく、本音が見えにくいとされています。

オープン質問は自由に話を広げられて本音が探りやすいのですが、脱線しやすく、遠回りになることがあります。

どちらもメリット・デメリットがあるならば、間をとってみるのはどうでしょうか。

セミクローズ質問のすすめ

店内で先ほどからジャケットに目をとめているお客様がいたとして、「ジャケットをお探しなんですか?」というクローズ質問は簡単です。誰でも質問しやすい質問だと思います。

では、お客様は誰もが答えやすいでしょうか?

ジャケットの目的買いなら、きっと「はい」と答えやすいはずです。しかしそうでない場合、たとえば「羽織れたらジャケットでなくてもいい」場合、先の質問にイエスと答えたらこのあとジャケットばかりを薦められてしまいそうで心配です。そうなると、答えは「いえ、そういうわけじゃ…」になることがあります。

ジャケットを見ていたのに「そういうわけじゃ(ない)」と言われると、販売員もそのあとが続かず、気まずい空気が流れます。

ではどう聞けばよいかというと、「何か羽織れるものでお探しですか?」とか、「夏場も羽織りもの欲しいときありますよね?」とか、お客様がイエスで答えられる可能性の高い聞き方で、一歩引いたセミクローズ質問です。

人は最初のコミュニケーションでイエスを言うと、以後話しやすくなるそうです。ジャケットという固有名詞を出さないだけで、一方的に絞り込みすぎず、本音を聞き出しやすくなります。また、探しているものがジャケットだけではなく合わせるインナーやボトムスもだった場合、それも自然に伝えやすくなります。

お客様が答えやすく、販売員にとっては広い選択肢を提案しやすいなら、良い方法ですよね。「なんとなく」のお客様にも「色々ぜんぶ」のお客様にも使える、いいとこどりの質問法です。

ほとんどのオープン質問は聞かれた方がめんどくさい

ショップで顧客づくりにフォーカスしたり、具体的にお聞き出しに特化する時期にくると、「イエスorノーで答えられる質問ではない聞きかたで会話を広げましょう」という話が挙がることがあります。

しかしこれ、お客様側でやられるとめんどくさいんですよね。

特に、まだたいして打ち解けていなくて、年齢も服の好みも違いそうな販売員に、自分の伝えるべき事柄をイエスorノーの一言でなく正確に伝えようとするのはけっこうな負担です。

色々まとめて買いたいけれどまだ具体的に何が欲しいか決まっていないとき、販売員にどんなものを探しているのか聞かれるとすごく面倒です。あと、本心を話したり微妙な部分に触れなくてはいけない場合、恥ずかしい気持ちが先に立って話を断りたくなることもあります。

質問は、お客様が答えやすい聞きかただった時に初めて話が弾みます。一歩引いた質問は答えやすい可能性が高いです。ぜひやってみてください。

 

 

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About 森野 68 Articles
森野 2018/7/1迄、TopSeller.styleブログ火曜日を担当。