こんにちは、タニグチレイです。
さて今回はいつもの皮革ではなく繊維関連の話。天然繊維も化学繊維も様々な長所短所で補い合い改良され使用されてきました。もちろんこれからも。
形態や外観に関する加工や性能に関する加工などあることに特化した機能加工と呼ばれるものもあります。形態安定加工や防シワ加工などは馴染みがあり扱っている商品もあるかもしれませんね。
その中で今回はあまり馴染みはないかもしれませんが連日話題に上がるウィルスに関連した機能加工もあるよという内容です。
あくまで目的に合わせた加工であり病気の治療や予防ができるというものではないのでそこはご注意ください。
SEKマーク(SEK繊維製品)って知ってると何か得する?
一般社団法人繊維評価技術協議会(略称 繊技協)が実施する認証制度というものがあります。特定の目的の機能加工繊維製品に対してそれぞれ繊技協の認証試験が行われている。
加工を施した繊維製品の表示用語、評価方法、基準、安全性などの自主基準を合格したものに付けることが出来るんですね。合格した製品はSEKマークが付き加工マークと付記用語と共に認証者である一般社団法人繊維評価技術協議会の名前と認証番号、販売社名や商標が記載されます。その他にも注意表示が記載されこの辺りは組成表示や機能性表示を想像してもらったらわかりますよね。(マークは加工の種類で色が違っています)
加工の種類は抗菌防臭加工、制菌加工、光触媒抗菌加工、抗カビ加工、消臭加工、光触媒消臭加工、抗ウィルス加工、防汚加工。抗菌防臭加工が1989年と一番古くその後最新技術を活用して増えていき抗ウィルス加工が一番最近の2015年に認証されたそうです。
まだまだこれからも少しずつ増えていくんでしょうね。
で、一般社団法人繊維評価技術協議会(略称 繊技協)って?って思いますよね。
ここにパンフレットや先ほどのマークの種類などもありますので一度ご覧になっていただくとわかりやすいと思います。
パンフレットを見ると「S:清潔」「E:衛生」「K:快適」を提案するとあります。消費者の生活向上のため適切な表示と評価基準およびその他の認証基準に基づくSEK繊維製品を提供するためにあるんですね。
そもそもは戦後アメリカからサニタイズ加工(サニタイズとは消毒とか汚れたものを綺麗にするという意味)が導入され様々な企業で考案、抗菌加工や防臭加工など当時は各々の名称で呼ばれていたそうです。しかしこれでは表示方法や加工効果、安全性に関する考え方が企業によって異なり消費者は混乱。
そこで1983年の繊維製品衛生加工協議会の発足を機にその後認証した製品を増やし消費者が安心できるいわゆる基準を定めてくれているんですね。これってどうなの?と混乱してしまうと選ぶに選べませんからこういったものがあると助かりますよね。
機能加工は社会や生活の変化に対応していく
先ほどいくつか挙げた加工の中から今回最初に書いたようにウィルスや細菌に関するものを取り上げてみたいと思います。
抗菌防臭加工
細菌類は汗、皮脂、垢などの代謝老廃物を栄養源として繊維上で増殖する。
この微生物の増殖を制御して揮発性悪臭物質の発生を抑制する加工。
綿、糸、生地、製品の状態で加工剤を付着させる方法や化学繊維を作るときに加工剤を化学結合させる方法などがある。
付記用語「繊維状の菌の増殖を制御し防臭効果を示します」
制菌加工
生活環境やケア環境(ヘルスケアやメディカルケア)の向上を目的としたもの。
人に有害な細菌の繊維上での増殖を抑制する加工。
一般家庭で使用する製品である一般用途(橙マーク)と病院や老人福祉施設、児童福祉施設、助産婦施設など医療機関やそれに準ずる施設で使用する特定用途(赤マーク)に分かれる。
付記用語「繊維上の菌の増殖を抑制します」
抗ウィルス加工
繊維上に付着した特定ウィルスの数を減少させる機能。
病気の治療や予防を目的としたものではなく感染症に対する具体的な効果や効能を発揮するものではない。
付記用語「繊維上の特定のウィルスを減少させます」
ISO 18184(繊維製品の抗ウィルス性試験方法)がJIS(日本産業規格)化した試験方法が認証基準となっている。
(日本の産業製品に関する規格や測定法を定めた日本の国家規格)
新型コロナウィルスやインフルエンザなどまだまだこれからも気が抜けない状況。共に衣類用ではありませんが花粉に悩まされる方にはノンアレルゲン加工や夏の蚊に悩まされる方には防虫加工など色々あります。一部の衣料品やインテリア製品など直接取り扱うものとそうではないものとあるかもしれないが接客で会話する機会があるかもしれない。
ちなみにマスクは抗ウィルス加工を施した不織布を多層構造の中に使用しているものもあるようなのでちょっとでも安心できる要素が欲しい!という方には選ぶポイントになるかもしれませんね。