タイトルにも書きましたが
もし10万円の高級クリームが全く同じ効果で3000円で売られていたらどうでしょう?
「そりゃあ売れるでしょ!」その通りです。
きっと爆発的ヒットになります。
でも皆が皆買うかと言えばそうではありません。
きっと位置づけは「知る人ぞ知る超コスパクリーム」止まり。
例えば毎月3万円のクリームを使って肌調子の良い方が、いくら10万のクリーム並みと謳われていても3000円のクリームに乗り換えるでしょうか?きっとその謳い文句だけではされません。
※本来は化粧品の効果は個人差が大きいので一概に「10万円」「3万円」の値段に比例するとは言えませんが、ここでは例として分かりやすくするため比例するものと簡単に定義づけています。
この感覚なんとなく分かりませんか?
毎月のクリームに3万円支払うことが生活に響くことはなく今の肌効果に満足している方にとっては、効果の割に安いというメリットはあまり魅力的に映りません。
この例を読んで、一時ニベアがドゥ・ラメールの成分に似ている!ということで話題になり大ヒットしたことを思い出した方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私も流れに乗ってニベアの青缶を購入した一人ですが、いかがでしょう?
今もまだ使い続けている方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。
好ましいことではありませんが
多くのお客様にとって、商品の値段も効果への信頼の一つになっています。
10万円のクリームによる肌効果と3万円のクリームによる肌効果を、明確に値段と比例して実感できるお客様は多くはありません。
値段とどれだけ比例するかというよりは高級化粧品になればなるほど、強烈な肌効果を感じてそれが値段以上に「どうしても欲しい!」と思っていただくことで化粧品は売れます。
まずはここを理解しておくことが接客においてとても大切になります。
読み取れることは2つ
①物の質が良いことは前提だけれど、物が良ければ必ず売れるわけではない。
②化粧品の値段には天井が無い。自分にとって必要な手入れを見極める目が必要。
①からお話していきましょう
②はまた来週お話しますね。
物の良さだけでは売れない
お客様にスキンケア商品をおすすめするときどんなご紹介をしていますか?
・こんな効果のある成分がこんな処方で入っています。
・とても希少価値のある成分を贅沢に配合していて…
・他社の同価格帯の物との質の違いは…
・こんな歴史のある多くの方に愛され続けている商品です。
どれも商品を良く見せてくれるご紹介文句ですね。
でもここには一番お客様が知りたい情報が入っていませんので、この情報だけでは「今日から使ってみたい!」という気持ちにまではなっていただけません。
よくある失敗パターンはこの「商品を良く見せよう」ということに躍起になって沢山語ってしまい、お客様が聞き疲れて引いてしまうという状態です。
ではお客様が一番知りたい情報は何か。
それは「この商品を使うことで私はどんな肌になれるか」です。
このイメージ無くして商品は動きません。
お客様自身になれる肌をイメージしていただく
昔尊敬する先輩に「成分を語ったって売れないよ」とアドバイスいただいたことがありがり勉タイプだった私は驚愕したのですが正にその通りです。
商品知識はあくまで販売員が根拠として持っておくためのもの。
それを丸投げするのは通販番組を見ていただいているのと何ら変わりません。
実際に店舗に来て下さっているからには、お客様の欲しい効果をカウンセリングで見極めてそれに合う商品を「なぜあなたにとって良いのか」をプレゼンしましょう。
特にスキンケアはパーソナルな商品ですので「万人にどう良いか」よりも「私にとってどう良いのか」が求められます。
そのため
〇このクリームは3000円ですが本当は10万円の価値があって、こういう成分が入っていて大人気なんです。
〇お客様はこういった肌の状況にあるのでこんなお手入れをしてあげるとこんな風にお肌が育ちます。それにはこちらのクリームがこんな成分が入っているのでおすすめです。
といった2パターンのご紹介があれば後者の方が圧倒的に売れますしリピートしていただきやすくなります。
前者では「へえーまあ3000円なら一度買ってみようか」と値段やお客様の受け取り方によってはご購入いただけても「私にはこの商品が必要!」という風なリピートは望めません。
商品が良いことさえ分かっていただければ売れるんだ!
という考えは今すぐ手放して、どうご紹介すればお客様に自分事として商品を見ていただけるのかを追求しましょう。
そのためには
・現状の把握
・目指す肌の共有
が必要です。
現状はお客様のお話を伺いお肌を見ることで見えてきます。
しかし目指す肌は人によって全く異なりますし、ご自身で「こうこうこういう肌になりたい!」と具体的にイメージされていてそれを言葉にできるお客様は多くはありません。
「キレイな肌」
この抽象的な言葉だけを追い求めると「今出せる予算で一番高価で良いものを」といった選び方になりがちです。
しかしそれではいつまでたっても天井はありませんし満足も手に入れにくいですよね。
それでは次回は、お客様と「ここまでは目指す!」といった理想の肌を共有しようという
②化粧品の値段には天井が無い。自分にとって必要な手入れを見極める目が必要。
についてお話ししようと思います。