こんにちは、タニグチレイです。
連日の暑さとマスク着用の日常とで今年の夏は体調管理が難しそうですが皆さまいかがお過ごしでしょうか?
無理だけはしすぎないように乗り切っていきましょう。
暑い時期は涼しく過ごせる格好が欠かせません。
足元も素足で履けるサンダルはオシャレをしながら少しでも暑さを回避できるアイテム。
そんなサンダルから日本の履き物を連想すると草履や雪駄などが思い浮かびます。
ま、由来だとかはここでは置いておいて素足で履く履き物ということでつなげてやってください。
そんな履き物について今回は触れてみたいと思います。
ちなみにサンダルは履き物の中でも最も歴史の古いもののひとつと言われていて紀元前約2000年前に遡ります。
古代エジプトで国王や僧侶などが権威を示すために履いてたと言われています。
草の繊維や木、皮などで作られた板状の底に取り付けたひもを巻きつけて履いていたもの。
熱砂から足を守る役目もあったそうですね。
雪駄や革足袋など皮革を使用した履き物は重要な役割を果たしていた
さて雪駄ですが今も洋服を着て履いている方をたまに見かけます。
現代では男性が着物を着る際に履くことが多いものですがそこに拘らず好きな格好で履いていてもいいですよね。
雪駄は草履の一種です。
藁の芯と竹の皮で編んだ草履の裏底に革を縫い付けて防水機能を与えたもの。
傷みにくく耐久性が高いのが特徴。
まず表面は毛羽取りや小槌などで均一にならして型枠に入れます。
そして鼻緒を付けて底皮を縫い合わせる。
最後にかかとの部分に半月形の鉄を打ち付けて完成です。
この鼻緒がある形も草履の特徴ですね。
靴のように足を包み覆う形状ではないのが多湿な日本に適していた、いや適しているのでしょう。
ジトッとする日は草履やサンダルの方が蒸れずにいいですよね。
上記で見ていただく通り裏底や鼻緒には皮が使われています。
まず裏底に使用されていたものですが馬皮の板目皮や牛皮の板目皮が多く用いられていました。
上等なものは牡牛の鞣し革が使われることもあったようです。
この板目皮と呼ばれるものですがこれは牛や馬の皮の腐りやすい部分を削り取り完全に乾燥させた皮のことです。
毛を除去して裏側の肉片や脂肪、血管などを削り取って乾燥させたもの。
以前に和太鼓で少し触れた生皮(きがわ)の一種です。
鞣していないことで強度があるのが一番の特徴です。
そのため戦闘用の鎧や胸あて、盾、刀のツバなどに使用されることが多かったようです。
鉄砲が伝来するまでの弓矢や刀を主とする武器の戦闘にはかなり防御力が高い防具だったみたいですね。
RPGでも革の鎧と革の盾は冒険者にとって最初はマストな防具です。
今まで鞣しのことも知ってもらっていますからこの工程を踏まえたものとそうではないものは質感や風合いもなんとなく想像してもらえるかと思います。
上等な雪駄には鞣し革というのもなるほどですね。
そして鼻緒ですが主な素材は藁や布ですが皮革の鼻緒が普及したのは江戸前期と言われています。
使用されたのは蛇革や牛革、鹿革など。
その中でも最も普及したのは八幡黒・菖蒲革などの鹿革です。
八幡黒というのは藍染めを何度も繰り返して深い藍色に染めた鹿皮。
菖蒲革というのは地を藍や萌黄に染めて菖蒲の文様を染めた鹿革。
どちらも鼻緒に使われている革はしっかりと加工されているのがわかりますね。
足に固定する大事なパーツでもあり消耗する部分でもあるためしっかりと作られていたのでしょう。
特に江戸時代の雪駄はかかとの鉄を鳴らして歩くのが粋とされたようなので作りと素材と共にこだわりもあったと考えられます。
あと、江戸時代の革の履き物つながりで革足袋という鞣した革で作った足袋もあります。
江戸時代のというより江戸時代中期あたりまでですね。
武士が武装する際には白色に小桜小紋の革足袋が使用されたり女性は紫色の革足袋を履いたりと様々な色や柄があったそうです。
鹿革などで作られ足を保護したり沓擦れを防ぐために用いられていました。
しかし鹿革の高騰や頻繁に洗えないという不便さから木綿で作られた木綿足袋が主流となっていきました。
ちなみに能や狂言、歌舞伎役者の方々には舞台で滑りやすい布製の足袋よりも革足袋は足運びがしやすいと好評価で特注されることもあるようですね。
洋服を着るようになり靴が普及するまで広く愛用されていた履き物。
そこにも皮や革は使われていていました。
保護したり機能を付与したりするためには最適な素材であったからでしょうね。