現役教育担当者が教える新人販売員が笑顔をキープする方法

こんにちは、ヨツモト リョウヘイ(@Playtopseller)です。

この時期になると多くなる相談が店舗の教育担当さんからの「新人教育」です。
毎年新しい新人が配属されますが多くのアパレル企業の新人教育は店頭任せのところが多いまま。
納品返品処理の仕方やレジの打ち方などの業務的なマニュアルは存在しますが、一番大切な店頭でのお客様への接し方や接客の仕方は教育担当者の経験と成功体験から教えられることがほとんどです。

教育担当者の経験と成功体験がハマれば新人教育はスムーズにいきますが、ハマらない時にどうしたらいいのか。。。
そんな相談が多いのです。

今回、アパレル新人販売員の教育担当者からあった相談は「新人に売り場で笑顔をキープするコツを教えるには?」です。

 

教育担当者が新人に売り場で笑顔をキープするコツを教えるには?

今回も全国のアパレル販売員が集まるオンライングループ「Seller’s Room」の現役の新人教育を担当しているアパレル販売員に今通用する教育の仕方を聞いてみました。

現役新人教育担当者Aさんが教える新人販売員が笑顔をキープする方法

新入社員、若手に実際やってる方法です。

①口角をあげる練習をする
右側10秒、左側10秒、両方同時10秒
これを毎日朝礼時や、空いてるときにやるだけで左右差のない口角を誰でも簡単にゲットできます。
私は3ヶ月くらいで無意識にいつも口角上がるようになりました。
これだけでも、変わります。

②エアーいらっしゃいませを辞める
呼び込みという名の、下向きながら、壁向きながら、何かやりながらのいらっしゃいませ〜を、辞める。
いらっしゃいませは、通路のお客様の目を見て、よろしければご覧くださいねの気持ちを込めて発する。
お客様の目を見てご挨拶を意識するだけで、人の目をより気にするようになるので、笑顔でいられる時間が増えます。
やってられないよ!って方も多いと思いますが、入店に差が出るポイントでもあるので、忙しくても、できるだけやるようにしてください。

補足:なかなか笑顔が出ない場合
→とにかく新人が緊張している、不安なことがある可能性があるので、先輩がいま不安なことある?や、何かわからないことや聞きそびれたことないかな?など、聞き出してあげてください。
それが解消されるだけで、少しでも笑顔になってくれる可能性は高いです。

真顔のスタッフの場合
→これは暇な日にしかおすすめしません。
最終手段でやって、成功した例です。
いつも笑っているスタッフが、あえて同じように真顔で過ごしてみる。
そうすると、相手のスタッフは、あれ?なんで?って何か異変を感じます
1時間くらいやってみて、この1時間話しかけにくかった?って聞いてみてください。
いつも、同じかんじだから笑顔大事だよ!って伝えたんだよ、と優しくアドバイスし、①からレクチャーしてあげてください。

 

現役新人教育担当者Bさんが教える新人販売員が笑顔をキープする方法

販売が初めての新人さんだと「人からどう見られるか」をお仕事と結び付けて考えたことがないパターンが多いので、そこに気付いてもらいます。

入社してなるべくすぐの段階(1週間以内)で、先輩スタッフ全員に『〇〇さん(新人さん)の良いところ!第一印象編』を書いてもらっています。
1人一文程度で良いのですが、なるべく具体的に。
メイクやファッション、ヘアスタイルなど外見的な要素も良いですが、表情や行動、話し方について主に書いてもらうようにします。

例えば「〇〇のことを教えたとき、目を見て聞いてくれて、すごく頷いてくれたので、とても話しやすかった。聞き上手だなーと思う。」などとシチュエーション込みで褒めてもらいます。
それを集めて、まずは新人さん本人に、「どんなこと書いてあると思うー?」と聞きます。
だいたいは遠慮して「わからないですー」と言うので、「じゃあ、ここ褒めて!っていうところある?笑」とかも聞きます。
ここで具体的な答えが返ってこなくても全く問題ないです。
その後に、みんなに書いてもらったものを一緒に見ていきます。
そして、「自分の予想と比べてどう?自分で意識してたわけじゃない…とか、自分では気付かなかったことって書いてある?」
と聞くと、大抵イエスです。

そこまできたら、じゃあこれって、お客様にはどう伝わってるかな?という話に移ります。
お店のスタッフは長い時間一緒だし、色々話せるけど、お客様って一瞬だよね?
一緒にいるスタッフでさえ、自分の予想と全然違うこと書いてあるくらいだし、お客様だったらもっと予想外の可能性あるっていうのは想像できる?

でも、一瞬で、この〇〇さんの良いところ、ほんのちょっとでもいいから伝わって欲しくない?
そのためにはどうすれば良いと思う?自分がお客さんだったらどう?
などなど、自分で考えて自分の言葉で話してもらいます。

上手く出てこない場合は、真顔よりは笑顔の方が良くない?
無視は感じ悪いよね?挨拶くらいはしろよ!って思っちゃわない?
などと誘導(笑)します。

そのあとで、実際お店で真顔で作業する〇〇さん、笑顔の〇〇さんの写真を撮って見てもらいます。
この真顔の〇〇さんは、良いところ伝わりそう?とか、写真を見ながら話して、やっぱり笑顔だよ!という着地です。笑

あとは普段のお店でも、真顔になっていたら「あ!怖い店員さん顔になってるよー!」とか、上記やり取りを思い出せる形で声を掛けています。

ここまですると、「見られている意識」が少しずつでも出てきて、その後の注意もしやすくなります。
全ては、〇〇さんがどう思ってるか、じゃなくて、“どう伝わるか”だよ!というのがわかってもらえているからです。

これは完全に余談ですが、これをすることで、接客中の会話している際の表情などにも応用できます。
一生懸命聞いてくれてる店員さんって良くない?この前、〇〇先輩が、聞き上手だなーって褒めてくれてたじゃん??あのとき、なんでそう思ったか書いてくれてたよね?覚えてる?
目を見てくれた、頷いてくれた…って書いてあるよ!
お客様にも、これで伝わるんじゃない?
などなど。。。

回りくどいですが、本当にド新人!という感じの方はこの方法でいつも研修をスタートしています。

現役新人教育担当者Bさんが教える新人販売員が笑顔をキープする方法

まず余裕を持ってもらうことに注力します。

個人的な見解ですが、販売の仕事を選んでいる人はバイトなどでなにかしら接客経験がある人、服が好き、人が好き、などなにかしらあると思うのです。
ですが、やらないといけないことや失敗して怒られたくないという意識が働くと真顔になる印象です。

なので、売れなくてもいいし困ったらこっち見てくれれば助け舟出すから安心して接客して下さい。という雰囲気を作ります。
暇な時は手を動かしながらでもなんでも雑談したりしてここを楽しい場所と認識してもらうようにします。
特に新人さんは良くも悪くも楽しいと思えば自然と笑顔で素の自分を出してくれます。
そのあとから仕事の姿勢とか接客内容を調整していくようにしています。
その方が自然体でその人の良いところも悪いところも見れる気がするので、そこからこうしたら良いかもと話し合いするとスムーズに進みます。

長くなりましたが楽しく働くコツみたいなものを掴んでもらえるように一緒に働けるよう努力してます。

 

新人販売員が楽しいと思えれば笑顔になる

現役の教育担当者が今日実施して結果をだしている新人教育の方法なので、やはり説得力がありますね。
ぜひ、あなたも今日から参考にして実施してみてください。

最後に僕からのアドバイスですが笑顔を強要しても人は笑顔になんかなりません。
それに強要して作られた笑顔なんてすぐにお客様に見破られます。
ですので、販売員という仕事、店頭に立つ仕事の楽しいところをたくさん教えてあげてください。

人は楽しい時は笑顔です。
何も知らないし不安でいっぱいな新人が笑顔になんてなれるはずがないじゃないですか。
なので早く楽しい事を教えてイメージさせてあげてください!!

 

 

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四元亮平
About 四元亮平 183 Articles
PLAY inc 代表/リテールコンサルタント 全力でアパレル販売員を応援するメディア「TopSeller.Style」主宰 文化服装学院リテイルブランディング科 特別講師 アパレル企業のリテールマネジメントやBMW japanなどの他業界でもセールスコンサルティングを提供し、近年はリテール販売員のDX化を推進するデジタルセールス&マーケティングコンサルティングも実施。 アパレル業界全体のリテールロイヤリティ向上を目指しwebメディア「TopSeller.Style 」の運営や文化服装学院の特別講師も務める。 リアル.デジタル.経営.ベンダー全てを経験し四方向のナレッジをカバーできるスキルが強み。