20S/Sトレンドカラーで考える配色テクニック

こんにちは!モリオカです!

2月も終盤に近付き、実売の3月がもうすぐそこまで迫っていますね。

実売に向けた準備の一環として!

前回の記事で挙げた「配色テクニック」を今回は
トレンドカラーに置き換えて解説をしてまいります!

スタイリング配色テクニック

即実践できる!スタイリング配色テクニック

配色テクニックの詳細は前回の記事を是非ご覧ください。

色々と数多くある配色技法の中で、ファッションスタイリングに落とし込みやすい
比較的シンプルなモノをいくつか抜粋して解説をしております。

20S/Sトレンドカラー

イエベ ブルベと同じくらい大事な<清濁>

トレンドカラーに関して、<清濁>という色の要素を解説する中で
いくつかトレンドカラーをピックアップして解説を致しました。

色の似合わせを考える際にも、清濁という要素はとても大事な部分になりますので
是非こちらもご覧ください。

前回紹介した色に加えて、外せないもう1つの今年のキーカラーになるであろう
クラシックブルーを加えまして、配色技法に落とし込んでいきます!

トーンオントーン

・同一の色相での配色。「トーンを重ねる」という意味がある
・色相ドミナント配色 ともいう。

グラデーションでの配色となり、非常にまとまりがよくスッキリとした印象の配色。
近年主流となっていたブラウントーンのワントーンなども、これに位置する配色ですね。
一番理解しやすい配色かと思われます。

左→PuristBlue+PuristBlueの低明度色に、濁色トーンで相性の良いグレーを織り交ぜた配色。
真ん中→Cantaloupe+Cantaloupeの明度を下げたブラウン。色がくどくならない為にホワイトを差し込む。
右→ClassicBlue+ClassicBlueの中明度色でブルーグラデにホワイトを差し込み、爽やかな配色に。

同系色だけでまとまりが出てスッキリしやすいですが、実際のスタイリングに落とし込む際は
有彩色が多くなりくどくなる場合は、無彩色と組み合わせて色数を抑えるのがポイントです。

トーンイントーン

・同一のトーン(明るさ)での配色。「トーンの中で」という意味がある
・トーンドミナント配色ともいう。

同じ明るさの色を配色する事でまとまりを出す配色。トーンが持つ感情効果を伝えやすい。
色相がゴチャッとしてしまう色合わせも、色が弱めの淡いトーンなどでまとめる事で
スッキリ統一感のある配色をする事ができます。

左→Neo-Mint+同明度のブルー+グレー。このトーンだと、高彩度でぶつかりやすい色相同士も喧嘩しません。
真ん中→Cassis+同明度のブラウン+グレー。
右→ClassicBlue+同明度のグレー+ブラウン。

左に比べ、真ん中と右は色の強さが出る為に、くどくなる可能性があります。
トーンイントーンの配色はややペールトーン辺りが配色をしやすいでしょうか。

ナチュラルハーモニー

・イエローベースの色を明るく・ブルーベースの色を暗くした配色

自然界の色の見え方に基づいた配色。
日光に照らされた色は明るく黄みに寄って見え、日陰となる部分は暗く青みを帯びます。
この法則に従って、イエローベースを明るく、ブルーベースを暗くした配色。
ナチュラル配色ともいい、自然な、なじみの良い調和が得られます。

一番ベターと言える配色技法ですね。

左→PuristBlue(イエローベース)+ブルーベースで低明度のブラウン。
真ん中→Cassis(ブルーベース)+イエローベースで高明度のベージュ
右→ClassicBlue(ブルーベース)+イエローベースで高明度のイエロー

黄みを明るく、青みを暗くする事で自然な見え方になりますね。
+aで、後ほどご説明する補色配色を組み合わせると、より明快な見え方になりますし
真ん中のように色相差をあまり付けない配色だと、より自然に見せる事が出来ます。

コンプレックスハーモニー

・イエローベースの色を暗く・ブルーベースの色を明るくした配色
・コンプレックス→「複雑な」という意味

ナチュラル・ハーモニーの関係性を逆転させた配色。
自然に見える配色の逆となり、なじみの良さよりも
デザイン性の高い斬新なイメージを感じる配色となります。

左→NeoMint(ブルーベース寄りに調整)+中〜低明度のパープル(イエローベース)
真ん中→Cassis(ブルーベース)+中〜低明度のブラウン(イエローベース)
右→ClassicBlue(イエローべース寄りに調整)+高明度のイエロー(ブルーベース)

自然な見え方をするナチュラルハーモニーを逆転させる事で、斬新な見え方に。
こちらも補色配色を行う事でよりコントラストが際立ちデザイン性の高い配色となり
色相差をあまり付けないと、程よいニュアンスを加える事が出来ます。

ダイアード(補色配色)

・ダイアード→「2つの」という意味。
・色相環上の、真逆の方向の色との配色。

色相環での色相差180°の、非常にコントラストの付く明快な配色です。
「補色配色」とも呼ばれています。

「アズーロ・エ・マローネ」というイタリアの配色法も
ブルーの補色となるブラウンを合わせた、このダイアードの配色がベースとなっております。
彩度の高い色同士で配色すると非常に強い印象になる為、彩度やトーンを調整して配色する事が多いです。

左→NeoMint+補色のパープル
真ん中→Cantaloupe+補色のイエローベースのブルー
右→MellowYellow+補色のブルーベースのブルー

全体的に彩度の高い配色を行なっており、明快な見え方をしますが
真ん中と右に関しては、彩度の調整を行う事で
ブラウンやベージュに調整出来る為、程よく自然に見せられる配色となります。
上記のアズーロエマローネ がそれとなりますね。

今期のトレンドカラーも、お客様からすると「どう合わせれば・・?」みたいな
癖のあるカラーが多く出てきておりますが
上記のような具体的な配色法を用いる事で、少しでも分かりやすくお伝え頂ければと思います。

ネイビー、グレー、白、黒。
合わせやすくて、使いやすくていいですよね。
ですが、色って、洋服の中でも視覚情報として一番シェアの高い要素。

是非、合わせやすい上記のような色だけでなく
お客様の気分が上がる、高揚してもらえるようなカラーを提案できるよう
参考になさって下さい。

それではまた次週!

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森岡 裕之
About 森岡 裕之 62 Articles
1993年生まれ。現在は某アパレルブランドにて入社3年目、店頭で販売を行なっている。その前は高卒でファッションとは無縁の工場に3年間就職。 ファッションが好きな気持ちを諦められず退職後、服飾専門学校にて3年間ショップ運営のノウハウを学び現在に至る。入社後は一年半、メンズにて販売を行いその後ウィメンズに配属。「カワイイ」で通じ合う、レディースのフィーリング要素の強い接客に苦しみ「パーソナルカラー」「骨格アドバイザー」「顔タイプアドバイザー」の理論的要素を学ぶ。センスや感覚に頼らず 理論的に根拠のある「似合う」を伝える接客を大切にし日々店頭販売に取り組んでいる。